• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

Preparation and optical characterization of colloidal crystals with (110) surface.

Research Project

Project/Area Number 23K19038
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

大貫 良輔  東京理科大学, 創域理工学部先端物理学科, 助教 (40979431)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Keywordsコロイド結晶 / 構造色 / 光学材料 / 偽造防止材料 / フォトニック結晶
Outline of Annual Research Achievements

2023年度の研究実施計画に基づき、(110)面が表面を向いたコロイド結晶の作製を試みた。(110)面を成長させたコロイド結晶を作製するための基板として、ナノインプリント技術により作られた筋状の溝が彫られたフィルムを使用した。このフィルムを鋳型としてコロイド結晶を作製した。コロイド結晶は、コロイド粒子が分散した懸濁液に基板を垂直に浸してゆっくり引き上げるディップ法を用いた。その結果、一部の結晶において、粒子が正方格子状に配列した表面が観察された。これは(100)面に対応しており、界面エネルギーが最も低くなる(111)面とは異なっていた。つまり、基板の形状によりコロイド結晶の成長格子面を変化させることに成功した。しかし、この面は本研究の狙いである(110)面とは異なっている。今回使用した基板は周期的な溝であったため、溝の中での粒子の位置関係は固定されていなかったことが原因であることが考えられる。2023年度の研究実施計画では、プラズマエッチング法を用いて、シリコンウェハ上に(110)面の粒子配列の周期パターンの作製を行う予定であった。しかし、日程調整が合わず、まだ作製できていない状況である。2024年度はより(110)面にマッチした基板を作製することで、(110)面が表面を向いたコロイド結晶の作製を行い、その光学特性を調査する。
また、球形のコロイド結晶は様々な構造を有することが最近明らかになり、その内の一つに十面体対称性を有する構造がある。この十面体構造の球状コロイド結晶の光学特性を詳細に調査した。その結果、雫状や半月状の反射パターンが観察され、その反射波長を理論的に計算した。この成果は、本研究におけるコロイド結晶の光学特性を明らかにするうえで一助になると期待され、日本化学会でポスター発表を行い、Chemistry of Materials誌に論文として投稿した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在までの進捗状況として、基板上にコロイド結晶を作製し、(111)面以外の面が露出したコロイド結晶を作製することに成功している。しかし、本研究の狙いである(110)面が表面に向いたコロイド結晶の作製はまだ達成できていない。2023年度にプラズマエッチング法を用いて、シリコンウェハ上に(110)面の粒子配列の周期パターンの作製を行う予定であった。しかし、日程調整や準備の都合上、まだ作製できていない状況である。今年度の始めに基板の作製を行う予定である。以上より、当初の予定よりも少々遅れている状態である。

Strategy for Future Research Activity

2024年度においては、2023年度に行う予定であったシリコンウェハ上に(110)面の粒子配列の周期パターンの作製を行う。その基板を用いてコロイド結晶の作製を試み、(110)面が表面を向いたコロイド結晶の作製を目指す。作製後においては、結晶の表面構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、(110)面の粒子配列になっているかを確認する。また、透過型電子顕微鏡を用いて結晶の断面を観察し、(110)面が積層しているか、内部も結晶化しているかを確認する予定である。
コロイド結晶の作製に成功したら、作製したコロイド結晶の光学特性を調査する。主に反射の角度依存性と偏光特性の2点について明らかにする計画である。反射の角度依存性の評価においては、角度ごとの反射スペクトルを測定し、理論計算と比較する。(110)面が表面に露出したコロイド結晶は、アカエリトリバネアゲハの持つV字型の構造と似ているため、観察角度の増加に応じて反射が長波長シフトすることが期待される。偏光特性の評価においては、偏光子を用いて反射の偏光特性を調査する。(110)面のように粒子配列に異方性が存在する場合、反射に偏光特性を持つことが知られている。以上の成果をまとめて、偽造防止材料などの光学材料への展開を追求する。

Causes of Carryover

2023年度に予定していた、プラズマエッチング法を用いてシリコンウェハ上に(110)面の粒子配列の周期パターンの作製が遅れており2023年度に実施できなかった。そのため、基板となるシリコンウェハやエッチングに必要な薬剤、周期パターンの描画に用いる電子線描画装置の使用料などが余り、次年度使用額が生じた。次年度使用額は2024年に行う上述の基板の作製に使用する計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Structural and Optical Characterization of Decahedral-Type Spherical Colloidal Clusters2024

    • Author(s)
      Ohnuki Ryosuke、Takeoka Yukikazu、Yoshioka Shinya
    • Journal Title

      Chemistry of Materials

      Volume: 36 Pages: 2953~2962

    • DOI

      10.1021/acs.chemmater.3c03306

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 球形のコロイドクラスターにおける構造色を用いた構造形成プロセスの観察2024

    • Author(s)
      大貫良輔、竹岡敬和、吉岡伸也
    • Organizer
      日本化学会第104春季年会
  • [Presentation] 十面体対称性を有する球状コロイドクラスターの様々なカラーパターンと反射メカニズム2023

    • Author(s)
      大貫良輔、竹岡敬和、吉岡伸也
    • Organizer
      第74回コロイドおよび界面化学討論会
  • [Presentation] 十面体の対称性を持つ球状コロイドクラスターの光学特性2023

    • Author(s)
      大貫良輔、竹岡敬和、吉岡伸也
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi