2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research and Development of Marine Engines Using Synthetic Fuel Heavy Oil Components
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23K19104
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Research Institution | National Institute of Technology(KOSEN), Oshima College |
Principal Investigator |
寺田 将也 大島商船高等専門学校, 商船学科, 助教 (00982703)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 合成燃料 / 燃焼 / 内燃機関 / カーボンニュートラル |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶は、燃料供給量が多く長時間の運転を行うため、大気中に多量の二酸化炭素を放出する。そのため、環境に配慮した舶用代替燃料が求められ、アンモニアや水素などの新たな燃料を使用した船舶の研究開発が盛んに行われている。しかしながら、船舶は製品寿命が長く現在航行中や建造中からの船舶の二酸化炭素排出量の削減は必要不可欠である。一方で、バイオマス系の燃料は高騰しており、船舶での利用が難しい現状がある。 そこで本研究では、舶用機関をFT(Fischer-Tropsch)合成で生成される燃料を使用し、既存システムを使用した船舶のカーボンニュートラルを実現することを目的とした。本研究では、舶用4サイクルディーゼル機関のMU323(松井鉄工所製)を用いて、検証を行った。本供試機関は、A重油とC重油を切り替え使用できるようにしており、本年度FT燃料用タンクを常設し、石油系燃料とFT燃料の混合試験を行えるように改造した。また、現在多くの船舶で使用されているプランジャポンプによる燃料噴射方式を採用しており、船舶への技術転換が容易に行える環境であると考えた。 FT燃料を従来燃料のC重油に混合すると、低負荷時では着火遅れが短期化し、ディーゼルノックを抑制することが確認された。また、混合割合を増加させると、低温酸化反応が喪失し、高温酸化反応のみの燃焼となった。このことから、パラフィン系の炭化水素を多く含む合成燃料を添加することにより、着火遅れ期間を短縮することができたと考えられる。高負荷域では、燃料物性の依存度が低下するため、FT燃料とC重油を比較した場合、同様の燃焼となるため、従来船舶に利用する可能性が確認された。
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Research Products
(1 results)