2023 Fiscal Year Research-status Report
大トルク3次元構造SRモータの回転方向制御とハイブリット旋回モータへの応用
Project/Area Number |
23K19128
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
永井 歩美 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教 (40983367)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 横方向磁束型SRモータ / 3次元構造 / SRモータ / 多極化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は横方向磁束型スイッチトリラクタンスモータ(TFSRM)の相数や極数によるトルク特性の違いについて解明を行い,課題解決法を提案した。 TFSRMは従来の一般的なSRモータよりも大トルクが可能であるため,その可能性に期待されている。そこで先行研究では一般的なSRモータとトルク特性に比較を行った。その結果従来のSRモータに比べ,トルクが上昇することが明らかとなった。しかしながら,相ごとに発生するアンバランス特性も発見された。電流およびトルクのアンバランスが発生すると各相の制御系に悪影響を及ぼす等,正常な運転か不可能となる。そこで3相TFSRMのアンバランス原因を解明するため有限要素法(3D-FEM)を用いて解析を行った。解析の結果,アンバランスの要因は,各相の磁気回路が互いに独立していないこととそれによって磁気回路の対称性が失われたためと考えられる。 そこで本研究ではさらに,2相TFSRMと4相TFSRMの電流およびトルク特性について検討を行った。 中でも2相TFSRMは,各相の磁気回路は独立していなかったものの対称性を持っていたため,電流およびトルクにおけるアンバランス特性はきれいに改善され,特性向上が見込まれる傾向が得られた。一方,4相TFSRMは構造的に上下対称であるが,励磁タイミングの関係上,磁気回路的には非対称であり電流およびトルク特性においてアンバランス現象が顕著に発生した。このことより,アンバランス現象やトルク密度の観点から2相TFSRMが好特性を示すことが明らかとなった。 続いて,極数に対する検討として,TFSRMの簡易磁気回路を導出し,FEMと比較検討を行った。 その結果,TFSRMは従来のSRモータと違い,極数増加に伴い,トルク増加の傾向を示すことが明らかとなった。しかし,計算手法毎の差異がみられたため今後検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TFSRMは基本パラメータによる特性も明らかとなっていなかった。そこで,本研究では相数と極数による影響をはっきりさせたことで原理および基本パラメータの解明につながったことから本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
残された課題としてTFSRMの極数設計を行った試作機における実機検証がある。 ハイブリット重機用モータとしての実現可能性を判断するため,これまで行ってきた低損失化の対策および高トルク化の特性を組み合わせたTFSRMを提案・検証を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
翌年度分の助成金と併せて使うことにより,年度額を超える測定器等の購入を検討しているため。
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