2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the Mechanism of Seawater Ozonation and Comparison with Chlorination
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23K19142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川口 康平 京都大学, 地球環境学堂, 特定助教 (30985502)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | オゾン / 臭化物イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
海水にオゾンを添加した時にはオゾンと海水中の臭化物イオンが急速に反応して、高い反応性を持った活性臭素種が生成する。活性臭素種には次亜臭素酸(イオン)、酸化臭素(I)、一塩化臭素、アンモニアが存在する場合にはブロマミンも含まれる。 本研究期間はこれら複数種の活性臭素種とオゾン濃度測定試薬であるp-ビニル安息香酸が反応すると、唯一の生成物を与えることを発見した。この生成物は液体クロマトグラフ質量分析で分析を行うとm/zが243と245であり、p-ビニル安息香酸の炭素二重結合に臭素と水酸基が付加したものと考えられる。 本結果はオゾン処理副生成物の推定につながる。またこの生成物を定量することで活性臭素種の定量が行えることを示している。 また、イオンクロマトグラフーポストカラムシステムをベースに、オゾン濃度・活性臭素種濃度・臭素酸濃度・臭化物イオン濃度の一斉分析法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を効率的に進めるために、イオンクロマトグラフーポストカラムシステムを用いて、オゾン濃度・活性臭素種濃度・臭素酸濃度・臭化物イオン濃度の一斉分析法の開発を試みた。しかし、オゾン濃度測定試薬であるp-ビニル安息香酸がポストカラム部で酸性条件になり、溶解度が下がり析出するトラブルが発生した。 本トラブルの解消に時間を要したため、当初より予定は遅れているが、解決済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した活性臭素種の測定方法と一斉分析システムを用いて、オゾン処理直後のオゾンと活性臭素種の挙動を解明する。加えて、塩素処理も行い、こちらの活性臭素種の挙動も解明することで、海水のオゾン処理と塩素処理の違いを明確化する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は想定よりも研究がやや遅れているため、次の段階で必要となる支出が生じなかったためである。使用計画として、本研究のメインである海水オゾン処理時に必要となる実験装置・試薬費として主に支出する。
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