2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation and systematization of effective co-creation network structure of various players for local environmental conservation
Project/Area Number |
23K19144
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
宮本 善和 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (50904489)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 共創 / 社会ネットワーク / 環境保全 / ネイチャーポジティブ / 社会ネットワーク分析 / 自然共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,NPO,住民,企業,行政,大学等の多様なプレイヤーによる効果的な地域環境保全の共創ネットワーク構造の解明と体系化を目的としている.初年度は,特に近年,ESG投資の浸透,TNFDへの注目,ネオチャーポジティブや30by30などの環境政策の進展などを背景に,企業が地域の自然環境保全に参画する事例が多くなっていることから,企業の地域の自然環境保全への取り組みに着目して事例収集と聴き取り調査を進めている. (1)企業の地域環境保全の取り組み事例の収集・整理 既往資料,Web検索等から,企業の地域の自然環境保全への取り組み事例を60事例を収集し,取り組み内容,企業の役割,参加動機,提供するリソース,関係するステークホルダーなどのカテゴリーで分類・整理した.それらの事例は整理・分析中であるが,企業が様々な方法で地域のNPO,住民,行政,大学等の関係者と連携・協働していることがうかがえる. (2)企業の地域環境保全の取り組み事例の収集・整理 収集した事例の中で,特に,多様なステークホルダーとの連携・協働の中で地域の自然環境保全の現場で取り組みを実践している事例に着目し,聴き取り調査を実施している.現在までに11事例の聴き取りを実施中であり,その整理・分析を予定している.聴き取り結果の中では,企業が地域の環境保全に取り組む動機は,①将来のビジネス開拓につながる,②技術開発になる,③TNFD に有益である,④社員教育などの場になる,⑤地元企業の営業開拓につながる,⑥ESG 投資に有利になる,⑦CSVを目指しているなど,様々であることが分かってきている. 今後は,さらに聴き取り調査を拡充し,参加の動機や共創ネットワーク構築のドライビングファクターの解明,多層の関係性に着目した共創ネットワーク構造の分析を行い,地域環境保全における共創ネットワークの技術体系化を目指していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付が決定されたのは前年度半ばであったが,研究の主対象を地域環境保全に取り組む企業とし,その企業と多様なステークホルダーの共創ネットワークについて事例調査,聴き取り調査を行うことで,効率的に作業を進めてきている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初予定していたアンケート調査は類似調査があるのでそれを参考とし,本研究では事例取集と聴き取り調査を拡充していく.そして企業の参加の動機やリソース,共創ネットワーク構築のネガティブファクター,キードライバーの解明,多層の関係性に着目した共創ネットワーク構造の分析を行い,地域環境保全における共創ネットワークの技術体系化を目指していく.
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Causes of Carryover |
採択を受けてから半年程度の研究期間であり,今年度は事例調査などの情報・データ収集に十分な時間をかけて調査を行うため.
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