2023 Fiscal Year Research-status Report
免震ゴム支承に生じた内部損傷・劣化の非破壊的検出手法
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23K19148
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡部 慎也 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (60980472)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / 有限要素法 / 維持管理 / 免震ゴム支承 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,免震ゴム支承内部に生じた損傷や劣化について,非破壊的な検出方法の開発を行うことである. 免震ゴム支承は,上部構造を支持する役割を持つと共に,橋梁全体の固有周期を長周期化させることにより,地震発生時には共振を避け,減衰性能により震動エネルギーを散逸させるといった,免震の役割を併せ持つ.代表的なゴム支承の一つである天然ゴム系積層ゴム支承は,ゴム材料と鋼板等を交互に積層して加硫接着させたものであり,上下鋼板,内部鋼板,ゴムからなる.しかしながら,ゴム材料は熱やオゾン,紫外線などといった種々の環境因子によって材料特性が変化することが知られており,実環境における免震ゴム支承は,供用年数と共に劣化し,性能が低下することが問題となっている.特に,内部のゴム鋼板の積層箇所については,それぞれが異なる材料であることから,劣化の際に,層間の剥離が生じることが考えられるが,外観評価は不可能に近い. 2022年度においては,本課題を求解する上で必要となる,劣化したゴム支承の変形性能評価のために,免震ゴム支承のプロトタイプ構造モデルを3次元有限要素モデルでモデル化した.モデル化にあたって,各要素の材料物性(縦弾性係数,ポアソン比)はオープンデータベースの実験値をもとに定め,それらの構成則は超弾性(Ogdenモデル)とした. 上載荷重下での非破壊的な検出を目的としていることから,数値解析では,死荷重相当の上載荷重を面圧として与え,水平方向に強制変位を与え,表面のひずみ分布や応力分布を導出し,健全なモデルとの比較による性能評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度「研究実施計画」をおおむね満足するような,免震ゴム支承のプロトタイプ構造モデルを3次元有限要素モデルで構築することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
実橋梁において使用されていた免震ゴム支承を用い,解体調査に先立ち,せん断載荷試験 を実施し,劣化した免震ゴム支承の力学的特性の解明を行う.また,内部鋼板とゴム層を分離解体の後,エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)により内部鋼板の成分分析を実施し,層間剥離箇所の同定を行う. また,2023年度に実施した数値実験をベースとした免震ゴム支承試験体の製作を行い,実験を実施する.数値実験から,水平方向荷重を与えた際に,デジタル画像相関法により検出可能な大きさのひずみ分布が生じることが確認されたことから,本研究では,内部損傷の検出に同手法の適用を予定している.
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Causes of Carryover |
予備試験用の試験体製作を2023年度に計上予定であったが,2023年度内での納入が困難であったことから,物品費の支出が減少している. また,上記に関連し,予備実験が実施されなかったため,実験実施における人件費が計上されていないことから,2023年度における人件費の支出は0円となっている. 予備試験体については既に発注済みであり,実験についても納入次第実施予定である.
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Research Products
(1 results)