2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on Modernization and Transformation Process of Garden Spaces: Focus on Gardens Depicted in Site Plan Drawings of Samurai Residence
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23K19165
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
内藤 啓太 法政大学, デザイン工学部, 助手 (40978996)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 大名庭園 / 江戸 / 東京 / 近代 / 屋敷絵図 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、①江戸後期~幕末の大名の江戸藩邸における庭園の様子および位置が確認できる屋敷絵図等の史料収集、②収集した史料の情報整理と地理情報システム(GIS)における庭園空間の所在の確認、を行った。 ①については、すでに収集していた屋敷絵図等をあらためて精査したうえで、大名の国元にあたる東京以外の各自治体における図書館や郷土資料館等をはじめ、国立公文書館および国立国会図書館に所蔵されている資料から、新たに収集を行った。その結果、現時点で合計96ヶ所の大名屋敷について寛政年間(1789-1801年)以降の庭園(年代を推定できたものを含む)の存在が確認できる屋敷絵図を中心とした史料を収集できている。このうち、東京以外の各自治体の所蔵機関における史料については、第一手段としてインターネットでの検索による確認をまず行い、デジタルアーカイブス等で閲覧可能な場合、複写資料の郵送・電子メールによる複写データの貸し出しを行っている場合は積極的に利用した。また、都内の図書館等において閲覧可能な図録等に掲載されている場合は、そこから複写等によって収集を行った。こうした史料収集の過程で、5ヶ所の大名屋敷における屋敷絵図については、東京以外の各自治体における4ヶ所の所蔵機関に直接訪問して収集を行う必要があり、訪問することを予定している。 ②については、①と並行して進めている。 上記以外に、本研究課題の成果のひとつとして、日本庭園学会オンラインセミナー2023秋にて「江戸大名の庭と上水」と題する研究報告を行った。また、本研究課題で収集した屋敷絵図等の史料をもとに分析した成果を、論文「江戸大名庭園における滝と上水の関係性」と題した論文としてまとめ、『日本建築学会計画系論文集』へ投稿を行い、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のベースとなる、江戸後期~幕末の大名の江戸藩邸における庭園の様子および位置が確認できる屋敷絵図等の史料の収集については、順調に進めることができていると考えている。上述の②については、作業途中であるが、全体を通して、基本的には当初の予定通り、調査と研究、成果発表を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の①については、5ヶ所の大名屋敷における屋敷絵図の収集のため、4ヶ所の所蔵機関に訪問を実施する。②については引き続き、作業をおし進め、東京における近代化直前の大名庭園の分布状況を把握できる地図を作成していく。それをもとに、近代の都市空間における大名庭園の変容と存在形態を検討し、学術的な成果としてまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、調査・研究出張ができず、オンラインおよび東京都内における調査を中心として行ったため、次年度に繰り越した。 次年度中に予定通りの調査および研究を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)