2023 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of contractable vascular model through smooth muscle tissue and functional assessment under drug testing
Project/Area Number |
23K19195
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
趙 炳郁 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (10982522)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Keywords | 組織工学 / 平滑筋組織 / 血管モデル / マイクロ流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト動脈平滑筋細胞とコラーゲンを懸濁し、ドーナツ状のモルドで凝固させることによってドーナツ型平滑筋組織の構築に成功した。構築した組織の形態および機能特性を評価するため、免疫染色とヒスタミンによる収縮力の観察を行った。免疫染色の結果、平滑筋細胞で発現されるアルファ-アクチンが同心円状に配向していることが確認された。さらに、ヒスタミン溶液を添加した結果、構築したドーナツ型平滑筋組織が同心円状に収縮することを確認した。これらの結果により、本研究で確立した組織は平滑筋の形態および機能を満たすことが分かった。 続いて、流れ刺激に対する内皮細胞の変化を評価するため予備実験としてチャンネルを設けたハイドロゲル内に血管内皮細胞を播種して3次元血管モデルを構築した。小型遠心ポンプにより流れの振幅および周波数を調整することで、体内のよう周期的な脈動のある流れ刺激を3次元血管モデル内に生成することに成功した。従来では細胞に不均一な刺激を与えたことに対して、本研究で導入した流れ刺激は3次元血管モデル内の細胞にせん断応力と均一な同心円状の伸展刺激を与えることができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画よりやや早い段階に同心円状に収縮可能なドーナツ型平滑筋組織の構築に成功した。さらに、血管内皮細胞のみで構築した血管モデル内に体内のような流れ刺激与え、細胞の配向の評価に成功したため、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で確立した同心円状に収縮するドーナツ型平滑筋組織を複数配列して、チューブ状の平滑筋組織を構築する。そのチューブ状の平滑筋組織内に血管内皮細胞を播種することで、階層的な構造を持つ血管モデルを構築する予定である。作製した血管モデルに流れ刺激およびヒスタミンなどの薬物を投与し、その際細胞の形態および膜透過性などの機能を評価することで、疾患や創薬モデルとしての拡張を目指す。
|