2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K19206
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
立川 冴子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (70981405)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 熱ふく射 / 半導体材料 / 半導体微細加工 / メタマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半導体表面に周期構造を作製することで、放射スペクトルを制御し、小型な熱放射源を実現することを目的とする。現在、放射温度計等の校正には、黒体炉を用いており、各温度に対応した黒体炉からのプランク放射にのっとって、校正している。しかし、黒体炉の維持や管理は大掛かりであり、また大型の黒体炉を一様な温度に保つためには時間や電力を要する。加えて、現場へ持ち込めないため、実用性の観点から課題があった。そこで本研究では、黒体炉の代わりに、任意のスペクトルを放射する小型熱放射源を用いることで、より簡便な放射温度計の校正を目指す。具体的には、周期構造を有する半導体チップを作成し、周期構造を工夫することで、放射スペクトルを制御する。これにより手のひらサイズで現場に持ち運びが可能な小型放射源を実現し、温度制御も容易になる。 そのために初年度は、光学シミュレーションソフトを駆使することで、周期構造の最適化を行った。様々な材料や、周期構造の寸法を変えながら、構造表面からの放射率のスペクトルの解析を行った。主に、半導体の微細加工技術で用いられる、シリコンや二酸化ケイ素、金などの材料を使った周期構造について解析し、放射温度計で扱う任意の波長帯でピークを持つ放射率スペクトルを実現することができた。放射率スペクトルについて、プランクの放射則に基づき、各温度における放射のパワースペクトルを解析し、構造の最適化に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は周期構造の最適化を行い、クリーンルームで実際の加工まで行う予定だったが、新しいシミュレーションソフトの導入や、最適化に時間を要したため、実際の加工までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、シミュレーションにより設計した周期構造を基に、実際にクリーンルームで半導体微細加工技術を用いて構造を作製していく。放射スペクトルを測定し、設計したものとの比較評価を行う。所望の放射スペクトルが得られていることを確認出来たら、本グループが所有・管理する国家標準の黒体炉と、国家標準により校正された温度計を用いることで、小型放射源の評価を行う。
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Causes of Carryover |
当初の値段より、値引きが生じたり、付属品の在庫切れにより変更があったため、最終金額が少なくなってしまったので、次年度使用金額が発生した。 次年度は、半導体ウェハ購入等に充てる予定である。
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