2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of intelligent foot orthoses as an innovative walking support solution.
Project/Area Number |
23K19207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 理恵子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (00976540)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 歩行支援 / 転倒防止 / ウェアラブルデバイス / 個人特性に基づく制御 / MR流体ブレーキ |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者や歩行障がい者において側方転倒は大腿骨頸部骨折など寝たきりの原因となる重大な傷病を引き起こす.近年様々な歩行支援機器があるが,重量や大きさ,操作の複雑さ等により地域,臨床での持続的活用が難しい.また従来の歩行補助具は,過度な関節固定化や依存性を高め,身体機能改善を阻害する場合がある.申請者は,足底の高さ調節による歩行制御手法に着目し,小型・省電力でウェアラブルな転倒防止システムを含む靴型装具を開発した.本研究では,個人の歩行特性に合わせ制御パラメータを自動調整するインテリジェント調整機能を開発し,本装具へ実装することで,実用化に向けた検討を行うことを目的とする. 当該年度は,装具各パーツの位置・配線等について再検討し,人の歩行時の着用に耐えうる装具耐久性向上と重量感の低減を図った.さらに,装具へ実装する個人の歩行時側方安定性の特性を評価するために個人特性の同定に向けた検討および健常者検証データの予備解析・評価を行った.現在は,足底圧データを取得する圧センサの装具への実装,キャリブレーションに適当な運動課題の選定及び足圧データを用いたデータ取得項目の検討をすすめている.また側方傾斜面10°の健常者歩行(n=17名)で算出された転倒防止効果指標として用いる側方COG-COP傾斜角度を参考とし,足底圧データ項目等の指標間の関連性について統計的に解析し,個人特性の制御プログラム実装へ向けた検討をすすめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗はやや遅れている.その理由は,現在α版装具について,人の歩行運動における評価試験時の断線や接続不良へ対する対応,および効果に影響を与える可能性がある装具の重量感軽減に対する対応のため,装具の再調整・再試作および試用による効果検証を事前に実施したためである.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,個人特性の同定に関する実験的検証をすすめ,結果として算出された個人の重み係数を制御プログラムとして試作β版への実装する.最終的には,実装された個人特性同定の制御則に汎用性があるか確認することを目的として, 試作β版の使い勝手を評価し,実用性について課題を検討する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:①当該年度において,装具着用評価試験の実施の遅延に伴い,成果発表の時期が延期となり,外国・国内旅費,英文校閲費等が次年度に繰り越されたため.②装具試作について一部外注を予定していたが,自作および既製品等で対応できたなどの理由で,装具材料・加工費に余剰が生じた.③統計・解析ソフトウェアの導入が延期されたたため. 使用計画:①③は2024年度へ繰越し使用予定.②の余剰分は,個人特性制御プログラム実装に向けて制御基盤の再試作を検討中であり,その外注・改良費に使用予定.
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