2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞周期の進行速度・位相制御培養を実現する細胞接着力学可変基材の開発
Project/Area Number |
23K19248
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
政池 彩雅 九州大学, 先導物質化学研究所, 学術研究員 (90981845)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞周期 / 細胞接着 / グラフトポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の同調培養は細胞周期の異なる時期に生じる現象への理解とその活用に重要である。通常、培養細胞は個々に細胞周期がばらついており、一般的には細胞周期を目的の時期で停止させる薬剤の添加にて同調させるが、過剰なストレスにより細胞死やゲノム異常の蓄積といった障害を誘発する場合がある。本研究では薬物フリーな新規同調培養手法を確立するべく、細胞周期が細胞接着に連動することに着目し、細胞接着力学可変な培養材料の開発を進めている。 申請者はこれまでの研究において細胞培養表面のマトリックス変形性によって細胞の接着形態を系統的に制御可能であることを明らかにしてきた。本研究では、外部刺激によってマトリックスの変形性を任意のタイミングで自在に変調し、細胞が自らマトリックスの変形性を感知して自身の接着形態を適応させることを目指している。このとき、細胞周期の進行に伴う細胞接着形態変化を模倣できれば、細胞周期を操作できるのではないかと考えている。この着想は申請者独自のものであり、薬剤による細胞周期の強制停止を行わず、細胞本来の接着環境適応能力を利用した同調培養が実現できれば、細胞周期に特異的な生命現象の理解とその応用利用がより一層進むと期待できる。 本年度は、申請者がこれまでに構築したグラフトポリマー基材に動的共有結合による架橋の導入を検討した。作製したグラフトポリマー基材の力学評価を行うとともに、細胞接着評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリマーブラシ表面のグラフトポリマー間に架橋を組み込むことで、培養基材表面の系統的な力学制御を達成した。また、この架橋を動的共有結合とすることで細胞接着形態を変調可能であることも確認できた。したがって、本年度予定していた細胞接着制御のための高分子表面設計方法の確立を達成できたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞接着形態の変化に伴い細胞周期の進行速度が変化するか検証する。これが達成した後、細胞周期の同期に有効な細胞接着形態の切り替え周期を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は予算の範囲内で高分子基材作製に必要な消耗品を調達できた。未使用分の残高9,800円に関しては次年度の細胞実験における消耗品に充てる予定である。
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