2023 Fiscal Year Research-status Report
電子活性な空隙を利用した新規p型半導体および発光材料の探索
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23K19266
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 昌武 東京工業大学, 元素戦略MDX研究センター, 特任助教 (20981765)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 半導体 / 発光材料 / 計算科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高効率光電変換素子の創製に向けて、電子的に活性な空隙を利用した新規p型半導体および発光材料の探索を試みている。2023年度は準備段階のスクリーニングから優れた光・電気特性を示すことが期待された、Cs-Cu-I三元系化合物に着目し、薄膜育成と単結晶上への自己組織化膜作成を行った。 真空蒸着法と室温固相反応法による2ステップの薄膜育成は、溶液プロセスでは実現が難しい非常に緻密で平坦な薄膜を合成することができ、電気特性の評価と発光特性の評価を行うことができた。今後、単結晶の電気測定結果と合わせて、論文として投稿を予定している。 また、Cs3Cu2I5大型単結晶の合成に成功したため、育成した単結晶を基板として用い、Cs3Cu2I5/CsCu2I3/CuIのヘテロ接合の作製に成功した。室温で自己組織化させたヘテロ接合は非常に珍しいため、当材料だからこそ実現可能な有用なアプリケーションを模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標である新奇発光材料探索に向けて、準備期間にスクリーニングをした材料に関しては期待通りかそれ以上の成果が得られた。次年度はこれらのノウハウを活かし、特異な特性を示す発光材料探索を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のアプローチとして結晶構造内の空隙を電子的アクティブな構造要素として利用することを提案した。そのためのスクリーニング過程で、大きなイオン半径を有するヨウ素と、高い拡散性を持つ銅イオンを含む化合物系を選択した。今後は、アモルファス酸化物やカルコゲナイド中の電子活性な空隙に着目し、材料探索を行う。
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Causes of Carryover |
装置購入のための予算残高が不足していたため、23年度分予算を繰り越して24年度予算と合算しての購入を計画した。
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