2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of the spontaneous epigenetic mutation in a key floral repressor gene, FLOWERING LOCUS C, and analysis of the mechanism
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23K19294
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 有羽 京都大学, 農学研究科, 助教 (20983191)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / エピアレル / 開花 / FLC / キャベツ |
Outline of Annual Research Achievements |
キャベツ‘不抽苔’は、偶発的な開花復帰性をもつ非開花性の自然突然変異体である。‘不抽苔’の非開花性には、タンデム重複したFLOWERING LOCUS C (FLC) 遺伝子のホモログBoFLC1の高発現が関与すること、またBoFLC1はエピアレル化していることが示唆されている。本研究では‘不抽苔’および野生型‘T15’のエピジェネティック解析 (DNAメチル化解析・ヒストン修飾解析) を行うことにより、‘不抽苔’に生じたエピジェネティック変異を特定することを目的とした。 ‘T15’および‘不抽苔’の全ゲノムIlluminaショートリードおよびBoFLC1が座乗するQTL領域をターゲットとしてシーケンスしたnanoporeロングリードを組み合わせて、de novoアセンブル配列を構築した。その結果、両者の間で構造変異や大きなIndelはないことが示唆された。nanoporeロングリードからメチル化シトシンを識別可能な“DeepSignal-plant”ソフトウェアを利用して、DNAメチル化解析を行った。その結果、‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR) が複数検出され、これらは‘不抽苔’に生じたエピジェネティック変異の候補領域であると考えられた。さらに、DNAメチル化に関して多角的に情報を得るため、‘T15’および‘不抽苔’を供試してsmall RNA-seqおよび全ゲノムBisulfite-seqを実施した。また、FLCの発現低下と関連が深いヒストンH3リジン27トリメチル化(H3K27me3)を解析するため、CUT&Tag解析系の構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR)、すなわち‘不抽苔’において生じたエピジェネティック変異の候補領域を特定することができた。また、H3K27me3を解析に向けてCUT&Tag法に必要な機器・試薬を揃え、解析系の構築に着手することができた。以上より、エピジェネティック変異の特定に向けた知見を一定量蓄積できたと考えており、予定通りの進捗状況であるという自己評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したsmall RNA-seqおよび全ゲノムBisulfite-seqのデータ解析を行い、‘T15’/‘不抽苔’間でDNAメチル化レベルが異なる領域 (DMR)について、多角的に検証を行う。同時に、BoFLC1発現量に段階的に差がある‘不抽苔’の自殖後代等を供試して、BoFLC1発現量および開花特性に相関があるDMRの特定を目指す。また、引き続きCUT&Tag法の解析系構築に取り組み、‘T15’および‘不抽苔’のBoFLC1におけるH3K27me3蓄積パターンを調査することを目指す。
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Research Products
(5 results)