2023 Fiscal Year Research-status Report
Search for novel plant immune-priming compounds by simple screening system using nitric oxide
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23K19296
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
本間 颯太 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (80980953)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 天然物 / 植物免疫系 / 一酸化窒素 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
世界の約10-20%の農作物が植物病原体によって失われている。農作物の効率的な生産には殺菌剤などの農薬が不可欠であるが、その使用拡大に伴って、薬剤耐性病原体が出現し、重大な懸念事項となっている。抵抗性誘導剤は、植物病原体に対して直接作用せず、植物自身の自然免疫応答を活性化させることで、病害抵抗性を高めるため、植物病原体が薬剤耐性を獲得するリスクが極めて低い。これまでに、シロイヌナズナの自然免疫系を特異的に増強させる化合物を探索するハイスループット・スクリーニング系が開発され、防御応答を促進する合成化合物が同定できるようになったことで、さらなる新規抵抗性誘導剤の発見に期待が高まっている。しかしながら、従来のスクリーニング系を用いた場合、ヒット率が非常に低く、従来の選抜系では目的物質が見落とされていると考え、広範な植物において共通している免疫応答過程の一酸化窒素を応用したスクリーニング系を着想した。 本年度は、所属ラボに植物培養に必要な設備、試薬などが十分に備わっていなかったため、その準備を重点的に行なった。現在は、その準備が諸々完了し、スクリーニング系に適したNO発生剤の探索を実施し、検討段階ではあるもののNO発生剤による免疫応答反応が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、植物培養に必要なインキュベーターが混雑しており、シロイヌナズナの培養開始が想定していた期間よりやや遅れた。現在はスクリーニングに適した一酸化窒素NO発生剤およびその濃度の条件を探っている。検討段階ではあるものの、NO添加による自然免疫の活性化現象は確認できたため、来年度よりNOを応用した選抜系で活性物質の探索が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、抵抗性誘導剤探索に適したNO発生剤およびその濃度の条件検討を行う。来年度では、インキュベーターおよび浸とう器の購入を計画しているため、より迅速に研究を遂行することが期待できる。
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Causes of Carryover |
当初、植物培養用の小さいチャンバーを購入予定だったが、照明付きのインキュベーターが所属ラボに設備されていたため、その分の購入費がなかったことと、研究成果の論文投稿などがなかったため差額が生じた。 来年度では、設備を使用する研究者が複数人おり、実験の進みが悪くなってしまうため、インキュベーターおよび浸とう器の購入を計画している。
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