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2023 Fiscal Year Research-status Report

樹木の根元曲りの生物学的機能の解明

Research Project

Project/Area Number 23K19302
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

相蘇 春菜  山形大学, 農学部, 准教授 (80836304)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Keywords樹体支持機能 / 根元曲り
Outline of Annual Research Achievements

1年目は、二次木部の量と質の2つの視点から、スギの根元曲りの形成過程を明らかにすることを試みた。伐採した個体について、表面を研磨した円盤のスキャン画像を取得し、年輪幅を測定した。その後、根元曲りの湾曲部上側を正面として、複数個所から扇形試験片を採取し、容積密度を測定した。
一般に、幹や枝が湾曲した針葉樹は、あて材の形成により傾斜下側の偏心成長が認められることが多い。本研究で調査した根元曲りスギでは、傾斜上側の年輪幅が下側のそれよりも大きい値を示す傾向が認められた。容積密度は、すべての個体で傾斜下側の密度が増加しており、これはあて材形成の影響によるものと考えられた。
以上の結果から、根元曲り形成による樹形回復には、あて材による姿勢回復だけではなく、成長量の増加による断面積の確保といった、質と量の両方の要因が関与しており、通直部分とは異なる木材性質により特徴づけられることが明らかになった。
加えて、1年目の結果から、根元曲りスギの生物学的機能を解明するには、通常とは異なる性質を有する二次木部がいつ形成されているかを明らかにする必要もあると判断した。このために、年輪形成時期を解析することとした。現在、定期的にサンプリングを行い、この点の調査を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、年輪幅と容積密度の測定が終了した。現在、より詳細な解剖学的特徴の調査を進めている。
当初の予定に加えて、根元曲り部の年輪形成時期についても明らかにする必要があると判断した。そのため、現在定期的にサンプリングを行い、形成層活動について調査を進めている。
現在までに得られた成果は、9月の国際会議で発表する予定である。当初の予定より進展していることから、進捗状況の区分を(1)とした。

Strategy for Future Research Activity

形成された二次木部の質的な特徴をより詳細に調査することで、生物学的機能としての樹木の根元曲り形成の意義の解明につなげる。そのために、研究開始当初より予定している仮道管S2層のミクロフィブリル傾角の測定を進める。

Causes of Carryover

当初購入する予定であった物品が現有品の修理で対応可能であることが分かったため、購入品を滑走式ミクロトームに変更した。滑走式ミクロトーム購入にあたり、前倒し支払い請求を申請したが、この際、消耗品の購入費用も考慮していたため、実際の滑走式ミクロトームの金額よりも多く請求した。しかし、現有する消耗品で対応できたことから、次年度使用額が生じた。
次年度は二次木部の組織観察と初年度の成果の発表に助成金を使用する予定である。

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Published: 2024-12-25  

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