2023 Fiscal Year Research-status Report
形態形成を生成する三細胞アドヘレンスジャンクション動態発現機構
Project/Area Number |
23K19361
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上地 浩之 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (50755452)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 上皮形態形成 / 細胞接着分子 / 細胞内相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮組織ではバリア機能としての細胞間結合を維持しつつ、他方で運動性を獲得することで形態形成や創傷治癒を実現する。どのような原理で細胞接着性と流動性のバランスある制御が発現されるのかは十分にわかっていない。本研究は申請者が以前に同定した、上皮細胞の三細胞結合点を構成し集団細胞移動に寄与する膜貫通型接着分子の、分子物性に着目することで上皮細胞接着性と流動性の制御機構の解明を目指す。 まず試験管内再構成解析により、本分子物性の記述を試みた。本分子の細胞内ドメインの精製リコンビナントタンパク質は試験内で相分離して、動的な液滴 (コンデンセート) を形成した。また細胞内ドメインは細胞外ドメインとは独立に、支持平面脂質二重膜上で細胞内局在と似た点状のコンデンセートを形成することを見出した。これまでに見出していた、あるいは今回新規に見出した細胞内ドメインの液滴動態変異体は、支持平面脂質二重膜上でも野生型とは異なる点状分布を示した。 次にショウジョウバエ上皮集団細胞の場で本分子を解析した。本分子集合体の生体内流動性は試験管内の支持平面脂質二重膜上コンデンセートと類似の傾向を示した。また、上記細胞内ドメイン液滴動態変異体は、上皮形態形成の場でも野生型とは異なる分子動態を示し、上皮集団細胞移動に必要な細胞動態を阻害した。細胞内ドメインの分子物性が本分子の生理的動態・細胞機能に寄与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたリコンビナントタンパク質の精製や分子物性変異体ショウジョウバエの作製は予定通りに進んでおり、その解析も滞り無く進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
試験管内解析では、着目分子の既知相互作用分子も導入し、より生体内に近い分子構成で分子複合体の再構成とその分子物性を解析する。これら特性に対する液滴動態変異体の直接的な寄与も解析する。また、脂質二重膜の接着面や屈曲点を形成し、生体内で見られる脂質膜の幾何学が分子動態に与える影響を検討する。 生体内では、着目分子が制御し、細胞動態に寄与する分子群のライブイメージングを着目分子の野生型と液滴動態変異体で行い、細胞内ドメインの分子物性が細胞機能に寄与するまでに起こっている分子的作用機序を詳細に解析する。
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Causes of Carryover |
本研究課題開始時にまだ前留学先にも在籍していたこともあり、当該年度に必要試薬やサンプルが帰国前までに揃ったため、次年度使用額が生じた。次年度は当該年度の結果を踏まえて現所属機関にて新規にサンプルを作製するため、またサンプル作製の系から構築するため、これらの費用に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)