2023 Fiscal Year Research-status Report
Unravelling the genetic basis of the gamete recognition system in brown algae
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23K19386
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
星野 雅和 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助教 (20977681)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 褐藻類 / 接合 / 配偶子 / 種間交雑 / ゲノム編集 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌配偶子と雄配偶子がどのように互いを認識し接合に至るかは繁殖生物学上の主要なテーマの一つであるが、接合に関与する遺伝子が同定された生物はごくわずかである。応募者は褐藻カヤモノリ属において、非対称な交雑パタンを示す種間を発見し(種Aの雌配偶子は両方の種の雄配偶子と接合するが、種Bの雌配偶子は同種の雄配偶子とのみ接合する)、種A雌×種B雄の交雑に由来するF1雑種雌配偶体において、種A雌型(配偶子が両方の種の雄配偶子と融合)と種B雌型(配偶子が種Bの雄配偶子とのみ融合)が1:1で分離することを明らかにした。これらのF1雌配偶体137個体のゲノムを解読したところ、ある染色体の0.12 Mbの領域がF1雑種雌配偶体の配偶子交配型と完全にリンクしていることが分かった。さらに、雄配偶子と雌配偶子のプロテオーム解析結果を精査したところ、該当ゲノム領域に雌配偶子特異的に発現する遺伝子があることが分かった。現在、この遺伝子のノックアウト変異体の作出に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
F1雑種におけるゲノム解析は完了し、雌配偶子の交配型とリンクするゲノム領域をある程度ピンポイントで特定することに成功した。当初予定していた追加のプロテオーム解析は予算の不足により行わなかったが、以前行った解析データをゲノム解析から得られた結果と統合することで、雌配偶子交配型に関与する遺伝子の候補を得ることができた。該当遺伝子のノックアウト変異体も少数ながら作成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
発見した候補遺伝子についてより多くのノックアウト変異体を作出するとともに、それら変異体の配偶子の交配行動の解析を行う。また、将来的なレスキュー実験などのために、褐藻類ではいまだ成功例の無い遺伝子ノックイン系の確立を目指す。
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