2023 Fiscal Year Research-status Report
Functional Characterization of the New Phage Defense System and Exploration of the Inhibitory Factors
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23K19475
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
千原 康太郎 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 研究員 (00976946)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | ファージ防御システム / バクテリオファージ / 薬剤耐性菌 / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究では、大腸菌臨床分離株ライブラリーから複数の新規ファージ防御システムをクローニングし、その防御メカニズムとファージ感染防御能の評価を実施した。特に、ファージ感染に対する防御機構としてどのように機能するかを明らかにするため、30種類以上の異なる防御システムをクローニングし、そのファージ防御能力をテストした。この解析により、ファージ防御システムにはさまざまな種類があり、それぞれのシステムの防御能力にバリエーションがあることが判明した。また、各種防御システムの生化学的特徴を調査した結果、これらのシステムがファージ由来のタンパク質や核酸を認識することで活性化し、ファージ感染から細菌を保護している可能性が示された。加えて、一部のファージ防御システムにおいて、その活性を阻害するファージ由来因子の特定にも成功している。ファージ防御システムがファージ感染にどのように影響するかを詳細に調べるために、国立感染症研究所のファージライブラリーを活用した。特に、各種防御システムを構成するタンパク質内のドメインや活性部位に変異を導入し、ファージ感染防御率への影響を評価した。さらに、ファージ防御システムがどのように不稔感染(感染した細胞が自死することで、母集団全体を保護する)を誘導するのかを明らかにするために、RNA-seqを実施した。この解析によって、各種防御システムが特定のRNAを分解することが示唆され、その認識パターンや特異的な構造が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、複数の新規ファージ防御システムにおいてその防御活性が確認され、RNA-seqによってそれぞれの防御システムが標的とする基質が明らかにされつつある。加えて、一部のファージ防御システムで標的となるファージ由来因子の同定、活性を阻害するファージ由来因子の同定に成功している。しかし、当初の予定では当該防御システムを構成するタンパク質を精製し、その活性をin vitroで確認することを予定していたが、現在のところ、タンパク質の精製まで完了していないため、当初の予定より進捗が遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
一部の新規ファージ防御システムにおいて、防御システムを活性化させるファージ由来因子と、防御システムの活性を阻害するファージ由来因子の同定に成功しているため、今後これらのタンパク質を精製し、当初の予定であったin vitroの活性評価を進める。同時に、ファージ由来因子がどのようにファージ防御システムを活性化・阻害するのかをプルダウンアッセイや、毒性評価試験によって明らかにすることを予定している。
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Causes of Carryover |
初年度に実施予定であったin vitroでの活性試験が次年度に実施することになったため、それに関連する物品費が次年度へと持ち越され当該助成金が生じた。 翌年度分として請求した助成金と合わせて、当初予定していたin vitroでの活性試験にかかる物品費用と、学会発表にかかる旅費や論文出版にかかる出版費として計上予定である。
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