2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Innovative Therapeutic Strategies for Refractory Colorectal Cancer Focusing on Amino Acid Transporters
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23K19496
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴崎 雄太 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60985159)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | LAT1 / アミノ酸トランスポーター / 化学療法 / 免疫療法 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では癌細胞特異的に発現 するLAT1に着目し、LAT1発現が化学療法、免疫療法、腫瘍微小環境に与える影響を解明することを目的とした。 現在LAT1と化学療法、免疫療法との関係を表す報告はあるが一定の見解を得られていないのが現状であり、1) 癌部ならびに免疫細胞のLAT1発現が化学療法だけでなく免疫チェックポイント阻害剤 (ICI)の感受性を予測するマーカーになりうるか、2) LAT1阻害と抗癌剤 (オキサリプラチン、ICI)を併用する治療戦略が腫瘍微小環境 (腫瘍細胞、線維芽細胞、免疫細胞)に与える影響、3) 従来の癌でLAT1を阻害する際の利点 (抗腫瘍効果)と阻害することによる副作用 (免疫細胞への影響) 、について検討している。 これまでに大腸癌切除症例を用いてLAT1発現を検討しLAT1の高発現が有意な予後予測マーカーであることを報告した。また術後補助化学療法施行例ではLAT1発現がオキサリプラチン耐性に関与し、オキサリプラチン誘導性mTORシグナルをLAT1抑制が制御することを報告した。一方でその他のレジメン(UFT/LV, Capecitabine単剤)では予後との相関はなかった。 免疫療法に関してはICIによる治療を受けた切除不能進行再発大腸癌の腫瘍組織検体を用いて、癌部ならびに間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析中である。また新規マウス腫瘍モデルを用いて抗PD-L1抗体投与が、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)発現に及ぼす影響について基礎データを収集している。先行研究の肺癌細胞の実験系で、抗PD-1抗体を投与することで、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)が誘導されることを確認した。 いずれの結果もLAT1、化学療法、腫瘍免疫の関連の解明が切除不能進行大腸癌の治療効果を改善し、革新的大腸癌治療への臨床応用の橋渡しとなると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト大腸癌細胞株、マウス大腸癌細胞株による新規マウス腫瘍モデルを用いた、LAT1阻害剤による腫瘍細胞、腫瘍免疫の検証については実験系の立ち上げが遅れている。このため細胞実験、動物実験については、実験計画と比して遅延がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
オキサリプラチンレジメンによる抗癌剤治療を受けた進行再発大腸癌患者腫瘍組織検体を用い、癌部と間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析する。またICIによる治療を受けた進行再発大腸癌の腫瘍組織検体を用いて、癌部ならびに間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析する。 細胞実験では LAT1阻害剤がヒト大腸癌細胞株 (HCT116, DLD1)、マウス大腸癌細胞株 (CT26, MC38)の増殖能、オキサリプラチン感受性、ICI感受性に与える影響を評価する。 動物実験ではヒト大腸癌細胞株 (HCT116, DLD1)を用いた異種移植担癌モデルマウス (皮下移植)、マウス大腸癌細胞株 (CT26, MC38)を用いた同種同系担癌モデルマウス (皮下移植)による実験系の安定化をはかり、LAT1阻害と腫瘍免疫の関連について解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究、検討がやや遅れているため。今後の追加の免疫染色、およびヒト大腸癌細胞株、マウス大腸癌細胞株を用いた新規モデルマウス作成による細胞実験、動物実験系を確立させるために本研究費を使用する予定である。
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[Presentation] オキサリプラチンベースの術後補助化学療法を受けた大腸癌患者におけるLAT1, mTOR発現と予後の関連2024
Author(s)
柴崎雄太, 横堀武彦, 塩井生馬, 岡田拓久, 大曽根勝也, 白石卓也, 酒井真, 佐野彰彦, 小川博臣, 宗田真, 調憲, 佐伯浩司
Organizer
第124回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 術後補助化学療法を受けた大腸癌患者におけるLAT1発現と予後、オキサリプラチン感受性および mTORシグナルに及ぼす変化の検討2023
Author(s)
柴崎雄太, 横堀武彦, 塩井生馬, 岡田拓久, 大曽根勝也, 白石卓也, 小川博臣, 酒井真, 佐野彰彦, 宗田真, 調憲, 佐伯浩司
Organizer
第34回日本消化器癌発生学会総会