2023 Fiscal Year Research-status Report
心原性ショックに対するTheragnostic Anticoagulationに向けた生体応答ダイナミクス
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23K19561
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
風間 信吾 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20980543)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 心原性ショック / 出血性合併症 / 抗凝固療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
補助循環装置を必要とする心原性ショックでは凝固異常に伴う合併症の管理に難渋する。 重大合併症の制御のために、本研究では凝固プロファイルの変容とその背景の複合要因を解き明かすことを目的とした。心原性ショックにおける補助循環使用中の凝固プロファイルや出血合併症の現状を把握するために、当院において心原性ショックに対して機械的補助循環装置を挿入した患者を後ろ向きに検討し、IABPに比較してVA-ECMOにおいて出血合併症が著しく多く、有意に血小板、フィブリノゲンの低値を認め,補助循環導入初期に輸血製剤の使用が多いことを第51回集中治療医学会総会にて報告した。またトロンボエラストメトリー検体の収集システムの構築を行うことで、集中治療室で必要な時にPoint of CareとしてROTEMが使用できるような体制となった。そのため2023年度はROTEMを用いた血液粘弾性検査を集中治療室に入院した30症例に施行しデータを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トロンボエラストメトリーを含むデータ収集体制の構築に時間を要した。検体収集が想定よりも遅れており、vWF multimer解析、タンデムマスタグ標識化相対定量プロテオーム解析およびRNA-seqによるマルチオミクス解析、活性化補体のELISAによる計測が現時点では施行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
心原性ショック患者に対して、引き続きトロンボエラストメトリーを用いて血液粘弾性検査を行いデータを蓄積し、解析を行う。またvWF multimer解析、タンデムマスタグ標識化相対定量プロテオーム解析およびRNA-seqによるマルチオミクス解析、活性化補体のELISAによる計測を通じて凝固プロファイルの変動につながる生体応答メカニズムを調べることで、患者を基点とした精密凝固管理Theragnostic Anticoagulationへの展開や、新規の治療シーズの同定へとつなげていきたい。
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Causes of Carryover |
測定キットについて一部供与があり費用が削減できたことに加え、検体の収集状況を鑑みて未購入の検査キットがあるため、次年度使用額が生じた。 次年度については予定していた成果報告のための学会出張費などに加え、質量分析器利用費やELISAキット、RNAライブラリー調製キットの費用に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)