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2023 Fiscal Year Research-status Report

ロングリードシーケンスによる新規SVAレトロトランスポゾンの特性と疾患関連性の解明

Research Project

Project/Area Number 23K19588
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

矢野 直子  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (20985949)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Keywordsロングリードシーケンス / レトロトランスポゾン / Occipital Horn症候群
Outline of Annual Research Achievements

本研究において、従来の遺伝子解析では原因不明であったX連鎖性遺伝性銅代謝疾患のOccipital Horn症候群(OHS)日本人男性において発見した、責任遺伝子ATP7Aのイントロン16の深部に挿入された約3kbの新規レトロトランスポゾン配列について知見を深めるべく、さらなる解析を行った。ヒトゲノム配列に挿入されたレトロトランスポゾン配列の多型データベースであるdbRIP(https://dbrip.brocku.ca/index.html)を用いて系統解析を行ったところ、SVA_Dとして分類されている多型のうちの一つに類似していることが判明した。このレトロトランスポゾン配列は、一般人口の60%に挿入しているとされている。今回同定した約3kbの新規レトロトランスポゾン配列と、この多型とは非常に類似しているが、いくつかの異なる塩基配列を含むことから、同一のレトロトランスポゾン配列を起源にもっている、もしくは、約3kbの新規レトロトランスポゾン配列がこの多型から派生した可能性が考えられる。今回、系統解析により、一般人口の60%が有するレトロトランスポゾン多型に類似したSVA_Dレトロトランスポゾンが、現代もなお、転移能力を有することが示唆され、この配列が他疾患の原因となり得る可能性があると考えられた。これまで報告されてきたヒト疾患を引き起こすレトロトランスポゾンは、SVA_EもしくはSVA_Fであり、今回の研究で進化的に古いSVA_Dが転移能を有することを示すことができた。OHS患者の皮膚線維芽細胞を用いて、異常なスプライスを誘導する配列に対して設計したアンチセンスオリゴヌクレオチド核酸が、他疾患においても治療ターゲットになる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの進捗はおおむね当初の計画範囲内と考えられる。OHS患者において同定した新規レトロトランスポゾン配列に類似したレトロトランスポゾン多型を発見することができた。また、そこまでの成果を論文としてまとめ、投稿する予定である。まず、OHS患者において同定した新規レトロトランスポゾン配列の特徴や起源を明らかにすることができたという点で、今後の実験解析の準備が整い、順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、今回新たに同定した新規レトロトランスポゾン配列およびそれに類似した配列が、申請者らが保有するショートリード全エクソーム解析および全ゲノム解析データの中において、どの程度の頻度で保有されているかを確認する。また、これらの家系のトリオデータを解析することで、レトロトランスポゾン配列の転移頻度の解析も予定している。ショートリード全エクソーム解析および全ゲノム解析データは、各々、約300家系、約140家系まで増えており、より大規模に解析が可能になると考える。一方で、繰り返し配の多いレトロトランスポゾン配列は、ショートリードシーケンスデータでは正確に解析できない可能性もあり、ロングリードシーケンスでの解析も予定している。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由として、抗体や試薬がすでに保有していたもので十分であったこと、予定しているロングリードシーケンス解析が未提出であること、が挙げられる。次年度使用額はロングリードシーケンス解析および物品の購入費として充当する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] The insertion of SVA retrotransposon in deep intron of ATP7A as a novel cause of occipital horn syndrome2023

    • Author(s)
      Naoko Yano
    • Organizer
      14th Asia Pacific Conference on Human Genetics (APCHG)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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