2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of anti-transcobalamin receptor antibody in the pathogenesis of vasculitis
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23K19607
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 和樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30980461)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 皮膚動脈炎 / 結節性多発動脈炎 / 血管炎 / トランスコバラミン / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
<検討課題1. 抗TCblR抗体が炎症を惹起する分子機序の解明> 抗TCblR抗体陽性皮膚動脈炎患者の血清からプロテインGカラムを用いて抽出したIgG分画を野生型マウスに皮下投与することにより、血管周囲の好中球浸潤と核破砕像を観察することができた。同部位を対象にRNAシーケンシングによるトランスクリプトーム解析を実施し、エンリッチメント解析の結果を得た。TCblRノックアウトマウスを購入し、ホモ変異体を得ることに成功した。 <検討課題2. 抗TCblR抗体作用の皮膚特異性の検証> エピトープマッピングにより同定した主要エピトープを人工的にペプチド合成し、様々な投与間隔やアジュバントの併用により、能動免疫モデルの作成を試行中である。 <検討課題3. 抗TCblR抗体作用の動脈特異性の原因究明> 主要エピトープに糖鎖修飾が生じないようにアミノ酸配列を改変したTCblRの発現ベクターを作成し、レトロウイルスを用いたヒト培養細胞へのトランスフェクションを試行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討課題1-3のそれぞれにおいて、実験系の樹立がおおむね順調に進行中である。最も時間を要すると予想していたノックアウトマウスの繁殖も、非常に順調に進行しており、これにより研究は大きく前進している。樹立した実験系から興味深い新知見も得られつつあり、これらの成果をもって、海外学会(Society of Investigative Dermatology 2024 Annual Meeting)での発表も予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
<検討課題1. 抗TCblR抗体が炎症を惹起する分子機序の解明>エンリッチメント解析により示唆されたパスウェイの病態への関与を、ヒト皮膚血管内皮細胞等を用いて詳細に検討する。TCblRノックアウトマウスに皮膚動脈炎患者由来のIgG分画を投与し、血管炎誘導の可否を評価することにより、抗体作用の抗原特異性を解析する。 <検討課題2. 抗TCblR抗体作用の皮膚特異性の検証>能動免疫モデルの確立に向けて、抗原の合成方法や接種スケジュール、アジュバントの種類、マウスの系統などの条件検討を進める。 <検討課題3. 抗TCblR抗体作用の動脈特異性の原因究明>レトロウイルスを用いて変異型TCblRを発現させたヒト培養細胞から変異型TCblRを抽出し、皮膚動脈炎患者由来のIgG分画との反応性を評価する。
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Causes of Carryover |
実験が遂行の途上にあり、次年度も継続する必要があるため。
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