2023 Fiscal Year Research-status Report
オミクスデータと疾患モデルの統合解析で紐解くがん免疫療法による肺腸連関炎症機構
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23K19624
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 雄太 岡山大学, 大学病院, 薬剤師 (70979997)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / irAE / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、様々な癌腫に対して免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitors: ICIs)が使用され、ICIsはがん治療におけるキードラッグとなっている。一方で、ICIsによって引き起こされる免疫関連有害事象は治療中断の原因となるのみならず致死的な転帰となることもある。また、免疫関連有害事象は、複数臓器にわたり発症し重篤化することも少なくないので、特に注意が必要である。実際に、我々はリアルワールドデータを用いた解析により、ICIsにより腸炎と肺炎を併発した場合には、腸炎や肺炎を単独で発症した場合と比較して、死亡率が上昇することを示唆する結果も得られている。そこで本研究では、①モデルマウスにおける腸内細菌叢、肺・腸組織における炎症病態の評価、②モデルマウスの病態とヒトの病態との類似性を、疾患と腸内細菌叢データベースにより評価することで、肺腸連関に着目したICIsによる肺炎および腸炎の発症・増悪メカニズムを解明する。今年度は、モデルマウスにおける腸管組織を用いてMPO活性、病理学的評価(H&E染色)等を実施し、炎症性細胞の浸潤や活性化を確認した。さらに、モデルマウスから気管支肺胞洗浄液を採取し、炎症性細胞数が増加していることやIL-6などの炎症性サイトカインが上昇していること、TUNEL染色により肺組織においてアポトーシスが誘導されていることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は当初の予定通り、おおむね順調に進展していると考えている。モデルマウスにおける肺および腸組織における炎症病態の評価はおおむね完了し、腸内細菌叢への影響についても予備的検討は完了している。2024年度に実施予定であった副作用自発報告データベースに登録されたICIs肺炎・腸炎症例の背景情報等の解析も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までにモデルマウスの肺および腸における炎症病態の評価が概ね完了したので、それらの臓器における炎症がどのように連関しているのか明らかにするために、モデルマウスの血液中の炎症性サイトカインや脂肪酸の変動を測定する。さらに、ヒトの病態との類似性について疾患・腸内細菌叢データベースを基に解析を実施したいと考えている。
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