2023 Fiscal Year Research-status Report
体外式膜型人工肺離脱後の全身性炎症反応に対する治療の個別最適化に向けた病態解明
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23K19630
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 純太 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80976027)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 体外式膜型人工肺 / 発熱 / 全身性炎症反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的1「ECMO離脱時に発熱が生じるメカニズムを明らかにする」, 研究目的2「発熱が心原性ショックの機械的補助循環に及ぼしている影響を調べる」に関しては現在, 前向き研究の手始めとして単施設の後ろ向き観察研究を行なっている。18歳以上の心原性ショックによりVA-ECMOを導入された症例を対象とした症例の集積は終了し, ECMO離脱後のSIRSはほぼ必発することが分かっている。主要アウトカムをVA-ECMOの離脱失敗(VA-ECMOの離脱から30日以内の全死亡または再導入)副次アウトカムを30日以内の循環不全による死亡, 発熱の持続期間, ECMO離脱後のICU滞在日数, 退院までの日数として設定し, 曝露・予測因子(ECMO使用中および離脱後のSIRS, 血液培養検査の有無とその結果, 抗菌薬投与の有無とその内容, 解熱薬投与の有無, 血液浄化療法の有無やその他の情報について電子カルテから各種パラメーターを収集している最中である。研究成果については, 第52回日本集中治療学会学術集会で発表予定である。 研究目的3「ECMO 管理に伴う副反応としての発熱と感染症の鑑別の鍵となるバイオマーカーを探索する。」も併せ, 前向き研究開始準備段階である。具体的には, 同時期に研究を開始した「心原性ショックに対するVA-ECMOの凝固管理目標のランダム化比較試験」と症例が共通するため, これと共闘し, 研究計画書を作成した。これから大学内での倫理申請を進めていき, 症例の登録, 同意書の取得, 検体の取得のシフト決めなどを行い,まさにこれから開始する段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の手始めに単施設後ろ向き観察研究を開始し, 次に症例を共有できる「心原性ショックに対するVA-ECMOの凝固管理目標のランダム化比較試験」と共闘して前向き研究を準備しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
手始めに行なっている単施設後ろ向き観察研究に関しては電子カルテから各種パラメーターについて収集し, SIRSの発生頻度について記述するとともに, SIRSの有無による主要アウトカムの発生の違いを探索的に評価する。アウトカムの発生頻度に応じてロジスティック開始分析もしくは修正ポアゾン回帰分析を選択する。ECMO離脱前後において循環指標のトレンドのSIRSの有無による相違をRegression Discontinuity DesignモデルもしくはDifference-In-Differenceモデルを用いて検討する。研究成果については, 第52回日本集中治療学会学術集会で発表予定である。研究目的1~3を満たす前向き研究に関しては,研究計画書の立案は終了し, これから学内の倫理申請を進めていく。同時に症例の登録, 同意書, 検体のシフトを決定し、研究開始の準備を行なっていく。
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Causes of Carryover |
研究が予定よりも遅れているため、次年度に繰り越す予定です。
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