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2023 Fiscal Year Research-status Report

Novel cellular immunotherapy with GD2-MSCs for bone marrow metastasis of neuroblastoma

Research Project

Project/Area Number 23K19638
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

井口 雅史  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20981533)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Keywords神経芽腫 / 免疫療法 / 骨髄転移 / 間葉系幹細胞 / 抗GD2抗体
Outline of Annual Research Achievements

Syngeneicでの神経芽腫骨髄転移モデルマウスの報告はまだないため,現在モデル作成に取り組んでいる.同モデルを使用し,当科の新規細胞免疫療法の治療効果判定を行うことを目標としている.
①Syngeneic神経芽腫骨髄転移モデルマウスの作成:5-7週のMYCN-Tg Homozygousマウスから腫瘍を摘出し,primary cultureを行い,細胞株を樹立(以後,MYCN).6-8週のMYCN-Tg Wildマウスに,MYCN 1×10E6個を静脈注射しモデルマウスを作成した.腫瘍静注後28日目に同モデルをsacrificeし脊椎を摘出,切片を作成してHE染色・免疫染色(Tyrosine Hydroxylase染色)で転移の有無を評価したところ,40%の確率で骨髄転移していることが確認出来た.
②神経芽腫骨髄転移細胞株の樹立:より骨髄転移しやすい神経芽腫細胞のみをセレクションするために,神経芽腫骨髄転移細胞株を樹立した.上記方法で神経芽腫骨髄転移モデルマウスを作成,腫瘍静注後28日目に同モデルをsacrificeし,両大腿骨より骨髄細胞を採取し培養した.神経芽腫細胞の培養に適した培地(PrimNeus培地)を使用し継代を重ねることで,経時的に血球細胞は死滅し,神経芽腫細胞のみがセレクションされ,神経芽腫骨髄転移細胞株(以後,BM-MYCN)を樹立することに成功した.さらにこのBM-MYCNをMYCN-Tg Wildマウスに静脈注射し,骨髄転移モデルを作成することで,Vivo Passageできる手法を確立した.
③ホタルルシフェラーゼ発現MYCN-Tg腫瘍細胞株の作成:上記のように樹立したMYCNの細胞株に,レトロウイルスを用いてホタルルシフェラーゼ発現遺伝子を遺伝子導入することで,ホタルルシフェラーゼ発現MYCN-Tg腫瘍細胞株(以後,luc-MYCN)の作成に成功した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Ⅰ.Syngeneic神経芽腫骨髄転移モデルマウスの作成:骨髄転移モデルマウスに関しては,まだ確率こそ高くないものの一定の割合で作成することに成功している.今後はluc-MYCNを使用した骨髄転移モデルマウスを作成し,生体内イメージングシステム(IVIS)を使用して転移巣を評価することで,より正確に転移場所・転移時期に関して評価することが可能となる.これまでの方法と異なり脊椎以外への骨髄転移も評価可能となるため,実際の転移率は40%より更に高い値を示す可能性も考えられる.また骨髄転移率向上のために骨髄転移細胞株をVivo Passageする手法も確立した.モデルマウス作成に関しては順調であると言える.

Ⅱ.mMSCの骨髄転移巣へのhomingの確認 / Ⅲ.神経芽腫骨髄転移モデルマウスにおけるAnti-GD2-MSCの抗腫瘍効果の検証:現在,モデルマウスの作成に成功したところであり,Ⅱ / Ⅲで予定している投与実験に関してはまだ行っていない.元の実験計画においても令和5年度にモデル作成を行い,令和6年度に同モデルを使用し投与実験を行う予定であったため,概ね予定通りである.

Strategy for Future Research Activity

Ⅰ.Syngeneic神経芽腫骨髄転移モデルマウス作成
①luc-MYCNを使用した骨髄転移モデルマウスでの転移巣評価:luc-MYCNを使用して,骨髄転移モデルマウスを作成する.腫瘍静注後28日目まで,数日毎にIVISで骨髄転移巣の腫瘍細胞の局在を確認する.その後同モデルをsacrificeし,IVIS で転移が疑われた病変の骨切片を作成,HE染色・免疫染色で骨髄転移を評価する.②Vivo passage:より骨髄転移しやすい神経芽腫細胞株を樹立するためにVivo Passageを繰り返し行う.まずluc-MYCNを使用し神経芽腫骨髄転移モデル・骨髄転移細胞株を作成する.さらに3-4世代に渡って骨髄転移細胞株のVivo Passageを繰り返すことにより,神経芽腫骨髄転移特化細胞株の樹立を目指す.
Ⅱ.mMSCの骨髄転移巣へのhomingの確認
①上記で作成した骨髄転移モデルに対し,MSC細胞膜をDiRで蛍光染色した上で腹腔内投与し,IVISで生体内でのMSCの局在を可視化する.②同様にGFP発現遺伝子導入MSCを腹腔内投与し1日目,7日目で骨切片を作成して組織学的に転移部へのMSC集積を確認する.MSCは骨髄内に生理的に存在するため,抗GFP抗体を用いて,移植MSCを検出する.
Ⅲ.神経芽腫骨髄転移モデルマウスにおけるAnti-GD2-MSCの抗腫瘍効果の検証
①骨髄転移モデルマウスをAnti-GD2-MSC+IL-2,MSC+IL-2,IL-2,PBS投与群の4群に分け,投与開始から4週間にわたってIVISを用いて転移巣の発光強度を確認する.②同様にAnti-GD2-MSC+IL-2,MSC+IL-2,IL-2,PBS投与群の割り付けで骨髄転移モデルマウスを治療し生存曲線を確認する.

Causes of Carryover

本年度は当施設で既に繁殖しているMYCN-Tgマウスを使用した,腫瘍細胞株の樹立とモデル作成がメインであったため,研究費が比較的抑えられる結果となった.細胞株の継代に必要な培地・薬剤購入費やマウスの維持費,転移巣の骨切片を免疫染色する際の薬剤購入費が本年度使用額の大半を占めていた.

次年度は今回確立した骨髄転移モデルを使用し,本格的な薬剤投与実験と治療効果判定を行うことがメインとなる.投与実験を行う際には,IL-2などの投与薬剤の購入が必要となる.またIVISを使用した経時的な転移巣評価を行うために,ルシフェラーゼが多量に必要である。mMSCの転移巣へのhoming効果の確認のためにはDiRの購入が必要になる.薬剤投与実験後の転移巣の骨切片の免疫染色を行う頻度も増え,GFP抗体やTyrosine Hydroxyrase抗体といった免疫染色に必要な抗体をさらに追加購入する予定としている.それに加えて,本年度も使用していた細胞株の継代に必要な培地・薬剤購入費,マウスの維持費,モデル作成に必要な基本的な出費は,引き続き必要となるため,次年度の方が使用額が増加するものと予想される.

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Development of anti-GD2 Antibody-producing Mesenchymal Stem Cells as Cellular Immunotherapy2023

    • Author(s)
      IGUCHI MASAFUMI、YAGYU SHIGEKI、KAMBE KOSUKE、HIGASHI MAYUMI、FUMINO SHIGEHISA、KISHIDA TSUNAO、IEHARA TOMOKO、MAZDA OSAM、TAJIRI TATSURO
    • Journal Title

      Anticancer Research

      Volume: 43 Pages: 2417~2424

    • DOI

      10.21873/anticanres.16409

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 神経芽腫マウスモデルに対する抗GD2抗体産生MSCによるがん免疫細胞療法開発.2024

    • Author(s)
      神部浩輔,井口雅史,東 真弓,柳生茂希,文野誠久,岸田綱郎,松田 修,田尻達郎
    • Organizer
      第60回日本小児外科学会学術集会
  • [Presentation] 小児神経芽腫群腫瘍における原発巣切除に対する鏡視下手術・開放手術の選択.2024

    • Author(s)
      文野誠久,井口雅史,髙山勝平,金 聖和,青井重善,家原知子,小野 滋
    • Organizer
      第65回日本小児血液・がん学会学術集会
  • [Presentation] 抗GD2抗体産生間葉系幹細胞「Anti-GD2-MSC」を用いた神経芽腫に対する新規細胞性免疫療法の開発.2024

    • Author(s)
      井口雅史,柳生茂希,神部浩輔,東 真弓,文野誠久,岸田綱郎,家原知子,松田 修,田尻達郎,小野 滋
    • Organizer
      第65回日本小児血液・がん学会学術集会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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