2023 Fiscal Year Research-status Report
早産羊胎仔を用いた低用量出生前ステロイド治療による肺成熟効果の検討
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23K19648
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 司 東北大学, 大学病院, 非常勤講師 (10979602)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 早産 / 出生前ステロイド / ヒツジ / 肺成熟 / ベタメサゾン |
Outline of Annual Research Achievements |
出生前ステロイド療法は母体にステロイドを投与することで妊娠34週以下の早産児の肺成熟を促し、児の周産期予後を劇的に改善してきた。一方で従来から用いられているステロイド投与量では,長期的にはこどもの神経発達に負の影響を及ぼす可能性が報告されているため、必要最低量を効果的に投与する方法の確立が望まれている。我々はこれまでにヒツジ胎仔を用いて、胎仔の肺成熟には高濃度ステロイドへの暴露より、比較的低濃度で持続的に暴露されることが必要であることを明らかにした。本研究では臨床応用に向けて、母体への低用量頻回投与でも胎児肺が十分に成熟し、ステロイド総投与量を従来の1/3 量に減らせることを証明する。妊娠期間が確定したSuffolk種のヒツジ胎仔を妊娠120日に以下の2群に分ける(各群 n=8);a) 対照群:Beta-P 12 mgを24時間あけて2回母体筋注投与、b) 低用量群:Beta-P 1 mgを6時間毎に8回母体筋注投与。初回投与から48時間後(妊娠122日)に帝王切開にて胎仔を娩出し、気管挿管後に人工呼吸器管理を30分間行い、呼吸機能を調べる。陽圧換気中の血液ガス分析、呼吸機能検査を測定し、統計学的解析により低用量治療でも十分に肺成熟を促進できることを証明する。令和5年度は羊の受胎率が極めて低く、予定していた実験を遂行できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点での進捗は予定より遅れている。令和5年度の猛暑のためヒツジの受胎率が下がったことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は低用量ステロイド投与を行い、肺成熟が得られるかを検討する予定である。
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