2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating the Pathogenesis of Eosinophilic Otitis Media - Integrated Transcriptome and Metabolome Analysis
Project/Area Number |
23K19649
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井伊 里恵子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60869353)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 好酸球性中耳炎 / 遺伝子発現解析 / マルチオミックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、好酸球浸潤により様々な臓器に障害を起こす慢性好酸球炎症性疾患が増加しており、耳鼻咽喉科領域では、気管支喘息に合併する難治性の中耳炎や副鼻腔炎が該当する。この中耳炎は、好酸球性中耳炎とよばれ、従来の中耳炎よりも難聴の進行が早く、不可逆的で高度の難聴を来すことがある。ステロイドが標準治療であるが難治性であり、その病態の解明と有効な治療法の開発が求められている。 本研究では、次世代シークエンサー等のテクノロジーとバイオインフォマティクスを融合させた生体内分子の網羅的解析(オミックス)による好酸球性中耳炎の病態解明を目的とする。具体的には好酸球性中耳炎の中耳粘膜を採取し、RNA-Sequence(RNA-Seq)による網羅的遺伝子発現解析を行う。疾患に特異的な発現変動遺伝子がコードするタンパク質や代謝産物から、難聴、中耳炎発症のメカニズムを探索する。 本年度は、好酸球性中耳炎と診断された患者(患者群)、中耳病変がなく、治療目的で中耳アプローチの手術・処置が必要と診断された患者(コントロール群)とし、対象患者の選定を行った。患者群は、診断・治療目的で中耳粘膜を切除した際の残余検体とし、コントロール群に関しては、手術時の残余検体である中耳粘膜を採取することとした。当院および共同研究施設において、中耳粘膜検体の採取を行い、遺伝子発現解析の準備をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、サンプルの選定、抽出キットの選定を行った。検体採取中耳粘膜検体は患者群3検体、コントロール群4検体の検体を採取し、冷凍保存を行った。 引き続き採取を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、選定された対象者の中耳粘膜検体を用いて、粘膜組織からRNAを抽出し、網羅的遺伝子発現解析を行い、患者群に関与する遺伝子群を抽出する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:今年度は主に検体採取、情報収集、試薬の選定を行った。次年度にRNA抽出キットの購入、遺伝子発現解析は次年度に実施するため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額の使用計画:中耳粘膜検体については、一部のサンプルを使用して粘膜組織からRNAを抽出し、網羅的遺伝子発現解析を行う。
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