2023 Fiscal Year Research-status Report
尿路上皮癌の発癌機構に関わる代謝物を基質としたRNA修飾経路の解明
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23K19656
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀部 祐輝 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80981977)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | RNA修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はヒトの尿路上皮癌組織から網羅的にRNA修飾を測定したデータを用いて相関係数をクラスター解析し、2つのクラスター(CL1、CL2)を同定した。CL1には癌促進性のRNA修飾と報告されているm5Cなどが含まれていた。しかし臨床データと照らし合わせても予後との関連性は乏しかった。一方CL2に含まれるRNA修飾群と臨床の予後データを統合すると予後不良な患者ではCL2に属するRNA修飾が低下していることを見出した。このCL2にはRNAを構成する基本的なリボ核酸の修飾体であるAm、Gm、Cm、Umと呼ばれるRNA修飾が含まれていた。これらのRNA修飾はリボ核酸のリボース基の2’水酸基がメチル化したものであり、単一のRNA修飾だけではなく遺伝子を構成する塩基の同一部位の修飾が癌の悪性度に関与している可能性が考えられた。現在は細胞株を用いて、in-vitroで同様の事象が起こるかどうかについて検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画通りに進んでいるため
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Strategy for Future Research Activity |
我々は昨年度の結果を受けて、このRNA修飾の修飾酵素の同定を進めるとともに細胞株やマウスにおいても同様の事象が得られるかどうかの検証を行う予定である。また、網羅的測定ではどの遺伝子のどの塩基が修飾を受けているかまでは確認できないため、RNA修飾を受けている遺伝子におけるについても検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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