2023 Fiscal Year Research-status Report
複合センサを用いた口腔内圧のコントロールと口唇の発達変化の解明
Project/Area Number |
23K19683
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
朴沢 美生 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20980519)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 小児 / 口唇閉鎖 / 口腔内圧 / 複合センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔機能は様々な口腔周囲筋や軟組織が関与し、動作を経時的に行うため、計測や解析には口腔動作や計測のパラメータの選定が重要である。多種多様な口腔機能のうち摂食嚥下に着目し、スプーンにのった食品を上唇で捕食した時の口唇圧を計測したところ、口唇圧発生が成人と小児で異なり、口唇圧と口腔内圧のコントロールが口腔機能の解明に重要であることを明らかにした。本研究課題では、口唇閉鎖圧と口腔内圧の関係をさらに調査するため、これらに加えて口輪筋活動量が計測可能な機器を用いて詳細な情報を取得し、評価することを主な課題とし、加えて、超高速三次元表面撮影装置から口唇の発達変化を明らかにすることを目的としている。これまで口唇機能の測定には口唇閉鎖力測定装置が多く用いられ、ボタンプル法を始めとし、マウスピース法や多方位口唇閉鎖圧測定装置等が存在するが、いずれも口腔機能を評価するには口唇閉鎖力という評価項目だけでは、口腔の閉鎖状態についての評価は部分的になってしまうという点で限界がある。評価項目が増え、それぞれの評価項目間での相互関係が明確になる点において本研究課題の優位性がある。本研究の対象者である小児を申請者の所属機関にて募り、動画を用いた一定の指示で複合センサーにより口唇閉鎖圧と口腔内圧、状口輪筋活動量の計測、加えて超高速三次元表面撮影装置を用いて安静時と動作時の口唇を撮影する。撮影後、解析ソフトにて、組織の形態の基準座標系を設定、各店の距離や角度の算出ならびに体積を計算し、形態的分類を行うことを計画している。複合センサーのデータからは最大値や積分値を求め、相関関係を検索する。また、同時に対象者の程者への質問調査による口腔機能に関する情報から、口唇機能と形態の関連性についての検討を行う計画としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究計画書に沿い、おおむね実施することができた。初年度は準備段階でもあるため、まず各機器類の調達と設備の設定を行った。具体的には、超高速三次元表面形態撮影の機器類と解析ソフトの設定を行った。さらには研究協力者とオンライン上で打ち合わせを行い、作業内容の確認や情報収集を行うとともに、協力者より助言を得た。ほかにも、口腔機能に関する情報を得るため、対象者の保護者に向けた質問調査票の作成を行った。また、学会参加にて情報収集を行い、口腔機能に関する研究の新たな知見を得た。上記順調である一方で複合センサーの調達は、昨今の感染症やウクライナ情勢の影響で部品の入手が難しく、納品が翌年度となる予定である。本年度中はすでに手元にあった複合センサーを用いて計測を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度である2024年度も、研究計画に従って実施する予定である。さらに調査対象者の人数を増やし、解析を進める。複合センサーを用いて得られた、口唇閉鎖圧から最大口唇閉鎖および積分値、口腔内圧から最大陰圧および積分値、口輪筋活動量から整流化した積分値を算出する。口唇閉鎖圧と口腔内圧、口輪筋活動量の相関関係を検索し、小児と成人の比較から小児の特徴を明らかにし、洗口の発達について考察する。超高速三次元表面撮影装置のデータから軟組織形態の計測点の距離や角度の算出を行い、口唇の形態や体積を検討することにより、口唇の形態分類を目指す。また、質問票の回答から得た情報等が算出したデータと関連する因子を検索する。本研究課題より得られた成果は、関連学会での発表を行い、研究成果を周知するとともに、同様に研究成果を論文としてまとめ、国内外へ口唇機能についての情報を広く公表する。
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Causes of Carryover |
今年度予定していたより学会参加が少なかったが、次年度は情報収集ならびに学会参加を目的とした学会(小児歯科学会大会および障害者歯科学会)を予定している。また、今年度はこれまで用いてきた指示説明用のタブレット端末の故障により、新規購入しており、物品購入が高く計上されている。
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