2023 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋芽細胞層と結合組織をハイブリッドしたヒト赤唇3次元in vitroモデルの開発
Project/Area Number |
23K19684
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 亮太 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (40985727)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 骨格筋芽細胞 / ヒト口唇 / 赤唇 / 3次元モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞シート作製技術を融合させて筋層が上皮に近接する赤唇固有の組織を再現し、3層構造のヒト赤唇インビトロモデル開発を目的とする。モデルにおける上皮基底膜成分と基底細胞層発現を指標としながら、播種細胞数、培養日数を検討しプロトコールを確立。極性の高い上皮形成を目標とし、プロトタイプから赤唇モデルのプロダクト化を目指し、併せてモデルの生理学的機能も検証する。一方、国内外において、筋芽細胞の3次元培養はほとんどの報告で筋芽細胞シートの重ね合わせによって実施されている。標準的な方法ではあるが、多量の筋芽細胞培養が必要となり、3次元モデルを作製するには現実的ではないので、申請者が保有している細胞外マトリックスに筋芽細胞を組み込む方法でモデルの間質成分を作製する方法を確立した方が、コストパフォーマンスが高いと考えているので、昨年度はそのモデル作製プロトコール作成に時間を費やした。その結果、ようやく食用の培養肉作製プロトコールを見出し、その方法に準じて早急にモデルの作製にとりかかる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請者が保有している細胞外マトリックスに筋芽細胞を組み込む方法でモデルの間質成分を作製する方法の試案に予想以上に時間を要した。かつ、筋芽細胞がなかなか手に入らない状況が続いていたため、細胞培養自体ができなかった。幸いようやく、購入、納品のめどが立ったので、今月から筋芽細胞の培養とモデルの作製を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
食用培養肉の作製モデルではウシの筋芽細胞を培養し、細胞外マトリックスとしては、マトリゲルとI型コラーゲンゲルをミックスしたゲルに筋芽細胞を組み込んでいるので、その方法に準じて、まず12wellの小さめの3次元培養ウェルを用いて間質成分を試作する。マトリックスが完成したらその上へ赤唇上皮細胞を播種して3次元培養を続け、組織学的観察によりヒト赤唇インビトロモデルを組織学的、免疫組織化学的に観察して、プロトコールの改良にフィードバックする。
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Causes of Carryover |
昨年度はモデルの間質成分を作製する方法の試案に予想以上に時間を要したことに加え、最も本研究計画で重要なヒト凍結骨格筋芽細胞が国内外で欠品しており手に入れることが困難で、研究計画に沿って実験を進めることができなかった。 2024年に入ってから、ようやく在庫がある状態が復活し、すでに発注をかけており、納品待ちの状態である。購入の目途がたった筋芽細胞や、培養とモデルに必要な消耗品を購入し、実験を加速する予定である。
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