2023 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーはヘルトヴィッヒ上皮鞘の機能不全を制御する
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23K19734
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
石井 華子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (80981753)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | オートファジー / 上皮間葉転換 / 歯根形成 / ルビコン |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内のリサイクリング機構を担っているオートファジー活性が細胞内ストレスで減弱すると、細胞の機能不全が惹起される。ヘルトヴィッヒ上皮鞘(HERS)では、抗がん剤によるDNA損傷により短小歯が形成される。オートファジー活性の抑制に伴いルビコン発現が亢進することが報告された。そこで、細胞内ストレスへのルビコン依存型オートファジーの関与を解明できれば、DNA損傷誘発性機能不全への対処法の一つとして貢献できると考えた。 本研究では、DNA損傷を誘導したHERS細胞でのルビコン依存型オートファジーの動態を検索する。具体的には、DNA損傷HERS細胞でのルビコン発現亢進に伴うオートファジー活性の抑制を明らかにする、オートファジー不全HERS細胞における上皮間葉転換(EMT)の誘導能によりHERS機能不全を評価する、ルビコン発現を抑制したDNA損傷HERS細胞におけるオートファジー活性によるEMT誘導の回復を検索する。 DNA損傷を誘導したHERS細胞において、同細胞の重要な機能の一つであるEMT誘導の制御にルビコン依存型オートファジーが関連することをin vitro実験で明らかにすることを研究目標としている。“DNA損傷HERS細胞におけるルビコン依存型オートファジー活性”、“オートファジー不全細胞におけるHERS機能不全”および“DNA損傷誘導HERS機能不全へのルビコン型オートファジーの関与”の3点について検索を行う。具体的な実験計画を立てるために関連論文を再検索し、過去の実験も加味して実験計画を作成した。実験計画に基づき、設備や物品の準備を行った。今年度は次年度は実験計画に基づいた実験を開始し、結果をまとめ、学会発表・論文作成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付から約半年という短い期間で、実験道具や物品の準備に時間を要し具体的な実験結果につながらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
DNA損傷HERS細胞でのルビコン発現亢進に伴うオートファジー活性の抑制を明らかにする。オートファジー不全HERS細胞における上皮間葉転換(EMT)の誘導能によりHERS機能不全を評価し、ルビコン発現を抑制したDNA損傷HERS細胞におけるオートファジー活性によるEMT誘導の回復を検索する。HERS細胞を用いてのin vitroでの実験を行い、必要に応じて実験計画の見直し、追加実験を行う。実験結果をまとめ、学会発表及び論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
研究・実験の準備に時間を要し、十分な実験進捗が得られなかった。そのため物品購入等に使用する金額が当初の計画より減少した。そのため、物品購入費として次年度繰り越し額を使用することを希望する。
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