2023 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータを用いたダウン症等に対するスペシャルニーズ歯科医療提供体制の実態把握
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23K19735
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 美寿々 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40772504)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 大規模診療報酬データベース / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界保健機関からGlobal Oral Health Action Plan (2023-2030)が新たに発出され、 全ての人に対する口腔保健の重要性が改めて強調された。なかでも、スペシャルケアを必要とする障がい者は、口腔疾患に罹患しやすいにも関わらず歯科へのアクセスが困難であることが大きな課題となっている。 障がい者の中でも、ダウン症候群は比較的頻度の高い常染色体異常であり、歯周疾患の治療・定期管理の有用性や早期からの摂食機能療法の実施症例が報告されている。しかし、ダウン症候群をはじめとする障がい者に対する、個人診療所を含めた実臨床における歯科医療及び摂食機能療法の実施状況の全国的な動向は未だ明らかとなっていない。 本研究の目的は、歯科ビッグデータを擁する大規模診療報酬データベースを用い、 個人歯科診療所を含む全国規模で、ダウン症候群をはじめとした障がい者に対する歯科処置及び摂食機能療法等スペシャルニーズ歯科医療の提供体制について実態把握を行うことである。 2023年度は、大規模診療報酬データベースを用い、医科・歯科診療報酬レセプトデータの抽出、 結合、クリーニングを行い、ダウン症候群を含む対象者の同定、データセットの構築を行なった。 また、予備的研究として、医科・歯科及び健診データを擁する大規模診療報酬データベースを用いて、一般集団での糖尿病をもつ人における歯周治療の効果を検証する研究を実施し、国内外での学会発表及び論文公表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データセットの構築及び予備的研究を進めたことで概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2023年度に構築したデータセットを用い、ダウン症候群をはじめとした障害者に対するスペシャルニーズ歯科医療の提供体制について実態把握をすすめる。
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Causes of Carryover |
共同研究者の研究費から学会参加補助金及び英文校正費用が支給され、計上していた費用に一部充当したため。 次年度は現在準備中の英語論文の英文校正費及び国内外の学会参加費に支出予定である。
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