2023 Fiscal Year Research-status Report
リン酸オクタカルシウムとHMG-CoA還元酵素阻害剤を用いた新骨再生材料の開発
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23K19736
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高山 慎騎 東北大学, 大学病院, 医員 (70984087)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | OCP / HMG-CoA還元酵素阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍や顎骨骨髄炎などにより欠損した顎骨の再建には、現在でも高い骨再生能を有する自家骨移植が第一選択となっている。しかし、自家骨採取にが採取量の限界や採取部位への侵襲といったいくつかの制限がある。一方、リン酸オクタカルシウム(以下OCP)などの骨再生材料は自家骨のような制限はないが、骨再生能が十分とはいえない。そこで、既存の骨再生材料であるリン酸オクタカルシウム(OCP)・コラーゲン複合体に、骨形成促進作用を有するスタチンを添加することで新生骨形成に与える影響を検証する。 ラット頭蓋冠の臨界骨欠損(9mm径)にOCPコラーゲン複合体を埋入し、創部を縫合閉鎖した。スタチンを連日5日間皮下注射にて局所投与した。OCPコラーゲン複合体のみ埋入し、スタチンは投与しない群をコントロール群とした。各群5匹、計10匹のラットに埋入手術を行った。手術後2週間経過したところで安楽死させ、頭蓋冠を回収し、ホルマリン固定を行った。マイクロCTを撮影し、新生骨量を計測した。新生骨量に関して2群間に有意差は認めなかったが、スタチン投与群の方が新生骨量が多くなる傾向がみられた。また、試料をEDTAにて脱灰し、その後パラフィン包埋、薄切した後、H-E染色を行った。H-E染色像より、骨欠損領域における新生骨形成割合を計測した。スタチン投与群の方が新生骨形成割合が高くなる傾向はみられたが、有意差まではみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今回投与したスタチン量では骨形成量に有意差を認めることはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
薄切標本を免疫組織染色を行い、骨芽細胞分化のマーカーであるRunx2、Osteocalcinなどの陽性骨芽細胞の評価を行う予定である。また、ラットに投与するスタチン量を調節し再度実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験計画書の作成および動物実験施設使用の申請に遅れがでて、動物実験開始が遅れが生じてしまった。今後はスタチン投与量を変更し実験を進めていく予定である。
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