2023 Fiscal Year Research-status Report
唾液エクソソーム中のタンパク質とmiRNAの歯周病バイオマーカーとしての有用性の解析
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23K19759
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 亜利彩 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (20979687)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは,細胞から分泌される膜小胞で,唾液や血液等の体液中に存在し、タンパク質やRNA等の生理活性物質を輸送する事で,細胞間コミュニケーションの役割を担う。本研究では,歯周炎患者の唾液エクソソーム中のmiRNAがエクソソーム中または歯周組織関連タンパク質の遺伝子発現にどのように影響するかを解明するため,歯周炎患者および健常者の唾液からエクソソームを精製した。動的光散乱法 (DLS)を用い,精製したエクソソームの粒子径を測定した。測定の結果,唾液から精製した小胞の直径は約230μmであった。次にエクソソーム中の成分への炎症性サイトカインの影響を解析するためにヒト歯肉線維芽細胞の培養上清からエクソソームを精製した。DLSを用いたエクソソームの粒径解析では,精製した小胞の直径は約174μmであった。今後は①ヒト歯肉線維芽細胞が分泌するエクソソーム中のmiRNAに対するTNF-αまたはIL-1βの影響 ②エクソソーム中のタンパク質に対するTNF-αまたはIL-1βの影響について解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の半分程度が終了しているため、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では今後,ヒト歯肉線維芽細胞が分泌するエクソソーム中のmiRNAおよびタンパク質に対する炎症性サイトカインの影響の解析をする。TNF-αまたはIL-1βで刺激したヒト歯肉線維芽細胞の培養上清からエクソソームを精製し、エクソソーム中のmiRNAおよびタンパク質をリアルタイムPCRまたはウエスタンブロットで解析する予定である。
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Causes of Carryover |
DLS測定に必要なサンプル回収の回数が見積もりよりも少なく済んだため本年度の使用額が少なくなった。また次年度は細胞培養に使用する消耗品が増加すると見込まれるため、翌年分として請求した助成金と合わせて使用したい。
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