• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

ヒト歯髄幹細胞の分化誘導における各種イオンの有効性と作用機序の解明

Research Project

Project/Area Number 23K19760
Research InstitutionThe Nippon Dental University

Principal Investigator

宮野 侑子  日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (90981803)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Keywordsヒト歯髄幹細胞 / イオン / 分化誘導 / 覆髄剤 / 象牙芽細胞様細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ヒト歯髄幹細胞(hDPSC)の象牙芽細胞様細胞(OLC)への分化と硬組織形成に対するストロンチウムイオン(Sr)、ホウ酸イオン(B)およびケイ酸イオン(Si)のシグナル伝達経路(MAPK経路)を解明(令和5年度)し、さらに覆髄剤として最適なイオンの混合比率を決定する(令和6年度)ことである。研究実施計画に基づき、培地(DMEM)に各イオンを添加して培養したものを実験群、イオン非添加を対照群とした。培養は最長で28日間とした。
令和5年度は、hDPSCの分化と硬組織形成におけるSr、BおよびSiの作用機序について、ウェスタンブロット分析によりMAPK経路の検索を行った。培養したhDPSCをRIPAバッファー中で溶解したのち、アセトン沈殿法によりタンパク質の濃縮と阻害物質を除去したものを試料とした。抗体としては、p38、p-p38、JNK、p-JUNK、Erk1/2およびp-Erk1/2、HRP標識二次抗体および内部標準としてα-Tubulinを用いた。Erk1/2は細胞増殖、分化、生存に、JUNKは細胞のストレス応答に、p38は細胞増殖、分化、炎症などに関連するシグナル伝達分子である。
実験の結果、Srを添加した群で、Erk1/2とJUNKが、BならびにSiを添加した群で、JUNKが陽性であった。p38は全ての群で陰性であった。また、各リン酸化抗体は、全て陰性であった。これらの結果から、検索したいずれの経路も、イオンの添加による明らかな活性化を認めなかった。しかしながら、各リン酸化抗体の反応は偽陰性の可能性があるため、今後条件を変更して再実験を行う必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実施計画に基づき実験を進行できているが、いずれのイオンもシグナル伝達経路の特定には至っていないため。

Strategy for Future Research Activity

一般にトータルタンパク質と比較するとリン酸化タンパク質の割合は著しく微量であることから、ウェスタンブロット分析での検索の際、リン酸化タンパク質のシグナルが弱く、検出が難しい場合がある。本研究でも、各リン酸化抗体が全て陰性であったことから、今後はウェスタンブロット分析の検出性を向上させる必要がある。具体的には、アトグラム高域のタンパク質を検出可能な高感度の化学発光基質を使用する。なお、バックグラウンドの反応を抑えるために、抗体の希釈倍率は適宜最適化を行う。それでも検出できない場合は、別のシグナル伝達経路の検索を検討する。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi