2023 Fiscal Year Research-status Report
メイラード化した希少糖アルロースを用いた即効的な口臭抑制に関する研究
Project/Area Number |
23K19762
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山本 繁 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (10981748)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 希少糖 / 口臭 / 硫化水素 / アルロース / メイラード反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、メイラード化したアルロースが揮発性硫黄化合物(VSCs)を抑制する効果があるかに関して、VSCsの抑制効果があることを再確認するため、メイラード化アルロースの作成し、これを一硫化水素ナトリウム水溶液に添加し、head spaceの空気をオーラルクロマで測定する実験を複数回行い、VSCs抑制効果が安定したものであることを確認した。 次に、メイラード化アルロースのVSCsに対する消去メカニズムを明らかにするために液体であるメイラード化アルロースを固形、粉末状にする取り組みを行なった。フリーズドライによる方法を試みたが、メイラード化アルロースに含有する水分が多く作成したサンプルが安定して固形化させることは難しいことが分かった。このため固形化にフリーズドライの手法を用いることには課題が残った。現在、固形化に関してはメーカーと協議しており、スプレードライによる方法を検討中である。固形化に関してはメイラード化アルロースのVSCs抑制効果が認められた後の応用方法にも関わってくるため、より良い方法を模索中である。 また、メイラード化したアルロースのVSCs抑制効果のメカニズムを解明するために、熊本県産業技術センターと共同で実験計画を打ち合わせを行った。熊本県産業技術センター内実験室において、アルロースをメイラード化する実験を行い、その一つづつの過程で試料を分析し、メイラード化にて発生する成分を分析しより詳細な変化を追う予定である。同時に、作成した試料を液体クロマトグラフィにて分析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、メイラード化した希少糖アルロースを用いた即効的な口臭抑制に関する研究についてはおおむね順調に進展している。 メイラード化したアルロースのVSCs抑制効果を確認する実験、そのメカニズムを明らかにする実験に関しては当初の予定ど通り進展している。一方で、メイラード化したアルロースの更なる分析、利用方法の幅を拡大するために固形化、粉末化する方法に関しては当初の想定しなかった問題が生じており、更なる改善を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
メイラード化したアルロースのVSCs抑制効果を確認する実験に関しては、熊本県産業技術センター内実験室において、アルロースをメイラード化する実験を行い、その一つづつの過程で試料を分析し、メイラード化にて発生する成分を分析しより詳細な変化を追う予定である。同時に、作成した試料を液体クロマトグラフィにて分析予定である。 メイラード化したアルロースの更なる分析、利用方法の幅を拡大するために固形化、粉末化する方法に関しては、スプレードライによる方法をメーカーと検討しているほか、他の物質にメイラード化したアルロースを噴霧し、コーティングする方法などを模索中である。
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Causes of Carryover |
本年度は、行なった実験は基礎的な研究が多く、物品費等のコストを抑えることができた。また、メーカー、他の研究機関の設備を利用する研究が多いため、今年度は設備仕様の打ち合わせ、許可申請を行なったことが多く、実際の多くの実験が次年度行われるため、次年度使用額が生じた。次年度は、熊本県産業研究センターの使用料、メイラード化アルロースを固形化したものを購入する費用など物品費の他、分析に用いるPCの整備にて使用する計画となっている。
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