2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K19794
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大邉 寛幸 東北大学, 大学病院, 助教 (60983400)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Keywords | 集中治療室 / ICU入室基準 / 意思決定 / 量的分析 / DPCデータベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、集中治療室(ICU)に入室するかどうかの意思決定に影響を与える要因を明らかにし、適切な判断を支援するガイドラインやプロトコルの策定に資することである。限られたICU資源の効果的活用が可能となり、重症患者への医療資源分配の最適化、治療成績向上、医療費削減が期待される。まずデータ解析のための準備として、一般的な機能を持つワークステーションパソコンと統計解析ソフトウェアのSTATAを購入し、データ解析の準備を整えた。以下の①から③の研究実績の概要を記載する。①質的分析:半構造化1対1インタビューのために現在文献レビューを行っている。文献レビューを行った後に、質的分析のためのインタビュー用紙を作成していく。②量的分析:既存のDiagnosis Procedure Combination(DPC)データベースと病床機能報告データベースを用いて、ICU入室判断に影響を与える要因の定量的分析を行った。解析には患者個人レベル、病院レベル、2次医療圏レベルの変数を用いて、マルチレベル解析を行った。解析結果をまとめて英語論文を作成し、英文校正を行なったのちに、現在英文医学雑誌へ論文投稿中である。また、2025来3月の日本集中治療医学会総会での発表を予定している。③医療経済的シミュレーション:現在、日本における集中治療に関わる医療費が日本の全医療費並びにGDPに比してどの程度配分されているかを測定するための方法論を文献レビュー中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を遂行するためのパソコンの準備が完了し、すでに量的分析に対する研究も完成している。英語論文も完成しており、すでに医学雑誌に投稿中である。質的研究と医療経済学的な検討も現在文献レビューを行なっている段階である。質的研究においては、量的分析を進めていく中で、どのような問いをインテビューすれば良いかについて再考する必要が出てきているために、文献レビューを当初から再度やり直している段階である。以上から(2)おおむね順調に進展している。とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
量的分析の医学雑誌への掲載を目指す。質的研究と医療経済学的研究の文献レビューを進め、医学研究としての実施可能性を判断し、遂行していく。
|
Causes of Carryover |
本年度に予定していた質的研究におけるインタビューのための旅費と謝金が、質的研究の遂行遅延に伴って発生しなかったため。
|