2023 Fiscal Year Research-status Report
Validation of prediction equations for ADL prognosis for stroke patients in the recovery phase and elucidation of the Positive Deviances showing improvement over prediction.
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23K19808
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小林 竜 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 助教 (20980600)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / ADL / 予後予測 / ポジティブデビアンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、以下に述べる2つの研究を実施した。第1に、日本の脳卒中患者の活動・参加に関する予後予測研究のスコーピングレビューを行なった。本研究の目的は日本における脳卒中患者の活動と参加に焦点を当てた予後予測研究の範囲、知見、ギャップをスコーピングレビューにより明らかにし、この分野における今後の研究の指針を示すことであった。わが国における脳卒中患者の活動・参加に関する予後予測研究で最も多く扱われていたアウトカムはFIMなどのADLスコアに関するもので34件(39.5%)、次いで歩行能力に関するもので26件(30.2%)であった。本領域の研究の特徴として予測モデルや指標の妥当性について検証群を用いて検証している研究は少ないことが挙げられた。これらの結果をまとめた論文は近日中、学術誌に掲載予定である。 第2に、脳卒中患者のADLを予測する既存モデルの外的妥当性の検証を行った。この予測モデルは、年齢や認知機能などの因子の影響を層別化し、影響係数を乗じることで運動FIM利得と退院時の運動FIMスコアを予測する手法を用いていた。この研究の結果は本予測法の外部妥当性を保証するものであったが、残差(実測値と予測値の差)は比較的大きかった。つまり、予測から大きく逸脱した症例が一定数存在することが示され、今後はそのような症例の特徴を明らかにする必要性が示された。これらの結果をまとめたうえで論文投稿を行い、現在は査読審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までは概ね順調に進展している。論文投稿も順調に行えているほか、新規研究実施へ向けて研究倫理審査や研究実施施設との調整も予定通りに進んでいる。今後は、研究データの収集状況に応じて研究計画を適宜修正しながら進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究は脳卒中患者の活動・参加に関する予後予測研究のスコーピングレビューと脳卒中患者のADLを予測するモデルの外的妥当性の検証が主であった。2024年度はこれらの研究を基礎として、入院時の予後予測を上回ってADL改善を示した脳卒中患者のポジティブ・デビアントな行動特性について解明していく必要がある。この研究はすでに開始しており、2024年度後半には一つの結論が導かれることが期待される。
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Causes of Carryover |
国際学会の参加費として旅費を計上していたが、業務多忙やスケジュールが合わず国内学会の参加のみとなり、使用額が少なくなった。人件費に関しては2023年度末までに新規研究の準備が完了しなかったため、計上しなかった。
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