2023 Fiscal Year Research-status Report
低栄養に至る生活の視点からサルコペニアの摂食嚥下障害を予防する
Project/Area Number |
23K19841
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
七戸 翔吾 北海道科学大学, 保健医療学部, 助手 (30980908)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | サルコペニア / 摂食嚥下障害 / 地域在住高齢者 / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、デイサービスを利用する要支援・要介護高齢者において、サルコペニアの摂食嚥下障害に関連する要因を低栄養に至る生活背景という視点から明らかにすることである。 2023年度はデイサービス1施設にて65歳以上の高齢者55名に調査を行った。基本情報を始め、身体機能や嚥下機能、栄養状態、認知機能、食生活に関するデータを収集した。サルコペニアの摂食嚥下障害の判定フローチャートに基づき、骨格筋量、握力、歩行速度からサルコペニアと判定され、かつ、Food Intake LEVEL Scale(FILS)にて9点未満の者をサルコペニアの摂食嚥下障害と判定した。 サルコペニアがない者は20名、サルコペニアの者は35名であった。各要因について現段階における傾向を把握するために、サルコペニアの者35名をサルコペニアのみ見られる群(有り群)26名、サルコペニアの摂食嚥下障害群(摂食嚥下障害群)9名に分け、比較を行った。摂食嚥下障害群は有り群と比較して、有意に高齢で、食品摂取の多様性が低く、握力が低下していた。サルコペニアの摂食嚥下障害の関連要因として、食品摂取の多様性の低下によるタンパク質や微量元素の摂取不足の可能性が考えられた。 現時点では対象者数が少ないため、今後はさらに対象者数を増やし、データ収集を継続する予定である。2024年度はデータ収集が終了した段階でさらなる分析を行い、要因を整理していく。また、地域在住の要支援・要介護高齢者におけるサルコペニアの摂食嚥下障害の予防にむけた介入の方向性を考察していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな支障はなくデータ収集が進んでおり、2施設ある研究協力施設のうち、1施設での調査は終了しているため、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)引き続きデータ収集を継続していく。 2)データをまとめ、学会発表や論文の投稿を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じているが2000円台と極めて少額であり計画通りに研究を遂行できていると考える。引き続き、予算として計上している学会参加や消耗品の購入に使用していく予定である。
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