2023 Fiscal Year Research-status Report
入院中の脳卒中患者の不眠改善プログラムの客観的効果:パイロットRCT
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23K19873
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
山本 義昭 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助教 (30980271)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 回復期 / 不眠 / 客観的睡眠評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
入院中の脳卒中患者の発症2週間後の不眠の有病率は83.7%であり、不眠により、機能回復の遅延やうつ病などの原因となることが報告されている。不眠の医療的対応として、薬物療法と非薬物療法があり、臨床では主に薬物療法が用いられているが、転倒や長期使用により認知力低下などの副作用がみられる。そこで、副作用の少ない非薬物療法に着目して、入院中の不眠のある脳卒中患者に対して、睡眠衛生教育とリラクセーション法を組み合わせたプログラムを開発し、無作為化比較試験を実施したところ、主観的睡眠評価の改善を認めた。しかし、本件のさらなるエビデンスを得るために、同様のプログラムを用いて、客観的睡眠評価について無作為化比較試験を検討している。そのためのパイロット無作為化比較試験として、14日間のプログラム介入を行い、客観的睡眠評価(睡眠潜時、睡眠効率、総睡眠時間、中途覚醒時間・回数)を指標とする。 パイロット無作為化比較試験として、介入群へプログラムを実施(10名程度)し、対照群には、通常のケアを実施(10名程度)する。また、プログラム前後7日間の睡眠状況(客観的睡眠評価)を調査する。調査に向けて準備を整えている状況である。学内の倫理審査・実施施設の倫理審査を受け承諾を得た。また、客観的睡眠評価を測定する機器の購入と使用方法は確認した。研究実習施設と研究開始日を調整中である。 本研究のプログラムにより、入院中の不眠のある回復期脳卒中患者の客観的睡眠評価の改善がみられれば、日常生活動作の向上やうつ予防にも繋がり、入院中の回復期脳卒中患者のクオリティ・オブ・ライフの向上にもつながり、社会的意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を進めるにあたり、本大学の倫理審査を受けた。2023年12月19日に本大学の倫理審査の承諾を受けた(承認番号H2023007)。それと同時に、睡眠を客観的に評価する機器の購入と使用方法を確認し、すぐに介入に入れる準備をおこなった。 その後、予定では2024年1月から、研究実施施設でのデータ収集に入る予定であった。しかし、研究実施施設との研究開始の調整で、年末、年度末にかけて研究実施施設が多忙な時期であったため、研究の受け入れが困難であった。その中で、研究開始の時期の調節を行い、2024年4月に研究実施施設の倫理審査の承諾を得た(承認番号K06-01)。 2024年5月中旬から研究実施施設と介入開始時期を調整して介入開始予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年5月から研究実施施設で研究が開始できれば、9月ごろまで10名程度介入を進めていけると考えている。自分の業務も踏まえて、3月ごろまでに、さらに6名程度介入を増やしていける予定である。 介入していく中で、対象者が少ない場合は、研究実施施設を増やしていくことも検討していく必要がある。
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Causes of Carryover |
睡眠を測定する機器の単価が高く、アクチグラフと眠りSCANの2つで使用していくため、2つの機器を両方購入すると端数がでた。次年度は、データ収集の効率をあげるために、台数を増やして対応していく。そのための資金を使用していく。 また、次年度はデータ収集や分析で必要な文具や研究協力者への謝礼に資金を使用し、データ収集まで行えていないため、データ解析するためのパソコンの購入していなかったが次年度は購入を検討している。 さらに、成果発表のための学会への参加を予定している。
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