2023 Fiscal Year Research-status Report
Plasma 25-Hydroxyvitamin D Concentration and Incident Risk of Dementia: a Case-cohort Study
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23K19881
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
陸 兪凱 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (40981650)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | Vitamin D / Dementia / Case-cohort study |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では、急速な高齢化の進展に伴い、2025年には65歳以上高齢者の約5人に1人が認知症となると予測されている。未だに根本的な治療法が確立していないため、認知症罹患に影響するリスク因子の特定が重要視されている。欧米の先行研究では、25-水酸化ビタミンD(以下「25(OH)D」という;血漿中のビタミンD代謝物)濃度の低値は認知症罹患リスクの上昇と関連していることが報告された。しかし、日本人を対象とした血中25(OH)D濃度と認知症罹患との関連を検討した研究はない。 そこで、本研究は、多目的コホート研究(JPHC Study)のデータを活用し、血液試料を用いて血中25(OH)D濃度を測定するケースコホート研究を実施し、日本人における中高年期(45-74歳)の血中25(OH)D濃度と認知症罹患リスクとの関連を縦断的検討し、その関連が線形か非線形かを明らかにすることを目的とする。 本研究の第一年次にあたる令和5年度に計画した血中25(OH)D濃度測定について、妥当性や再現性などを検証する予備的実験に想定以上の時間を要したため、本測定の実施が令和6年度にずれ込むこととなった。血中25(OH)D濃度の測定結果は令和6年度前半までに取得できる予定である。それ以外に、令和5年度は、血中25(OH)D濃度と認知症罹患リスクとの関連を検討した文献のレビューを行い、血中25(OH)D濃度が性別や年齢により異なるとの知見を得たため、関連解析において性別や年齢別(45~64歳vs.65~74歳)の層別解析を行う方針を定めた。また、共変量欠損値を多重代入した解析や最初の3年間の認知症ケースを除外した解析、死亡を考慮した競合リスクモデルを用いた解析などの感度分析も実施する計画を立て、統計解析の準備を行った。令和6年度前半に血中25(OH)D濃度のデータを取得したら、直ちに関連解析を実施することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血中25(OH)D濃度の測定において、妥当性や再現性などを検証する予備的実験に想定以上の時間を要したため、本測定の実施が令和6年度にずれ込むこととなった。令和6年度の前半までに取得できる予定である。また、直ちに関連解析が可能な環境を整えているので、計画通り令和6年度末までに研究を遂行できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の前半までに、血中25(OH)D濃度の測定を完了し、立案した解析計画に沿って関連解析を進めていく。令和6年度の後半では、得られた知見を学会発表したり、論文化したりすることを予定している。
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Causes of Carryover |
血中25(OH)D濃度の測定において、妥当性や再現性などを検証する予備的実験に想定以上の時間を要したため、本測定用に計上していた費用を令和6年度に繰り越した。
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