2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a technique for advance prediction of analgesic effect by tACS using Magneto-Encephalo-Graphy
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23K19940
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
五十嵐 眸実 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助手 (70980936)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 痛み / 経頭蓋交流電流刺激 / 脳磁場計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛は,脳の可塑的変化によって生じ,手術や薬物療法が有効でない対象者が多く存在し,難治性である.そのような中で、非侵襲的脳刺激法(NIBS)が治療法として有効であることが示され始めている.しかしながら,NIBSによる効果には被験者間で大きなバラツキがあり,臨床応用の障壁となっている.そこで,本年度は慢性疼痛患者で増大していることが明らかとなっているθ帯域活動を経頭蓋交流電流刺激(tACS)によって人為的に増大させることで,被験者間にどのようなバラツキがあるかを検討した.その結果,左背外側前頭前野に対するθ帯域tACS によって温熱痛閾値を上昇させることを明らかにし,さらに,θ帯域tACSによる閾値上昇効果は,θ帯域tACSによって背外側前頭前野内に生じる電界強度と逆U字相関関係をもつことを国際誌に報告を行った.本年度は,MEGを用いて、tACSによる鎮痛効果に関わる脳内ネットワークの同定のためのデータ収集を進めている.今後は,収集したデータを元に,tACSの効果を予測できるパラメータの探索を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,tACSによる鎮痛効果の事前予測技術を確立することを目的としている.現在,MEGを用いて,tACSによる鎮痛効果に関わる脳内ネットワークの同定のためのデータを収集できているため,概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、収集したデータを元に,tACSの効果を予測できるパラメータの探索を進めていく予定である.具体的には,刺激部位であるDLPFCとその他の脳領域における様々な周波数帯域での機能的結合の群間差を,phase locking value (Alhourani et al., 2016) と呼ばれるネットワーク指標を用いて解析する.この解析により,鎮痛効果が生じる被験者に特有の「鎮痛効果予測ネットワーク」を同定する.さらに,別の集団おいて、当該ネットワークを所有する被験者のみにおいて,tACSによる鎮痛効果を検証することで,同定された脳内ネットワークからtACSの鎮痛効果を予測できることを実証する.
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Causes of Carryover |
MEGを用いた計測に合わせて解析用電子機器の購入を行うため.2023年度購入予定だった,データ解析用デスクトップPC,データ解析用プログラミングソフトウェア(MATLAB),データ保存およびバックアップ用ハードディスクを2024年度に購入する.
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