2023 Fiscal Year Research-status Report
北極圏、温暖化に伴う氷河後退域の土壌微生物多様性-生態系機能の成立過程の解明
Project/Area Number |
23K20022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徐 新雨 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (40980058)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 生態系機能 / 土壌微生物多様性 / 氷河後退域 / 北極圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 生態系多機能性を判断するためのパラメータを測定した。 氷河後退後のクロノシークエンスにおける生態系多機能性の変動を推定するために、各サイトの岩石、堆積物、コケ、地衣類、維管束植物の被度を野外で調査し、植物および土壌サンプルを採取した。また、植物の地上部のバイオマスを測定し、土壌全炭素や窒素含有量、可能態窒素の濃度を測定した。これらのパラメータは、生態系における炭素と窒素の循環プロセス、植物や微生物、その他の生物に供給される栄養素の量、生態系の潜在的な回復力と抵抗力を示すことができる。 (2) 次世代シーケンシングのために土壌DNAを抽出し、PCRプログラムをテストして決めた。 野外で分子分析用の土壌サンプルを採取した。その後、次世代シーケンシングにより土壌中の細菌群集と真菌群集の構成を明らかにするため、土壌DNAを抽出を行った。さらに、シークエンシングをより正確かつ効率的に行うため、PCRの各ステップの条件をテストし、プログラムを更新した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通りに研究用のサンプルを採取し、生態系の機能性を計算するのに必要な化学分析も完了した。さらに、今後本格的に行うシーケンシングの準備も完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 氷河後退後の生態系多機能性を算出し、一次遷移に伴うその変動を推定する。 (2) ハイスループット配列決定による細菌および真菌の群集組成の同定する。 (3) 氷河後退後の一次遷移における微生物(細菌・真菌)の多様性と生態系多機能性の関係を解析する。
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Causes of Carryover |
予定していたよりも土壌分析用試薬の費用がかからなかった。その差額は翌年度分と合わせてシーケンシング等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)