2022 Fiscal Year Annual Research Report
Aspects of Everyday Life in Latin American Societies after Political Catastrophe
Project/Area Number |
18H03453
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石田 智恵 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (50706661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狐崎 知己 専修大学, 経済学部, 教授 (70234747)
近藤 宏 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20706668)
柴田 修子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (70573707)
内藤 順子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50567295)
細谷 広美 成蹊大学, 文学部, 教授 (80288688)
渡部 奈々 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, その他(招聘研究員) (00731449)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 暴力 / ラテンアメリカ / 日常性 / 記憶 / ジェンダー / 内戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、過去2年間にCovid-19を理由として中止せざるを得なかった海外調査の一部を、主に研究分担者が実施した。 研究代表者は産休・育児取得に伴い9月下旬で研究を中断することになったが、中断するまでに、海外からゲストを招聘して2回のオンラインセミナーを開催した。1回目は7月17日に、グアテマラ内戦の生き証人であり先住民女性弁護士・人権活動家として活躍するアナ・ロペス氏を迎え、自身のサバイバーとしての個人史(解放の神学の司祭が率いる希望の地への移殖民、ジェノサイド戦略による破壊の経験、「抵抗の共同体」の組織、和平プロセスへの先住民女性としての参加)と、先住民女性弁護士としての近年の活動の双方についての語語りが共有された。2回目は9月13日に、チリ、サンティアゴで長年調査を行なってきた人類学者クララ・ハン氏(ジョンズ・ホプキンス大学人類学科准教授)により、近年の調査に基づき、サンティアゴの低所得者居住区における警察暴力と、近隣住民と警察の複雑な関係性について、女性/家族をキーワードとして報告された(プロジェクトのウェブサイトに概要を掲載)。いずれの回においても、プロジェクトメンバー、一般参加者との間で活発かつ有意義な議論が行なわれ、暴力と日常性という本課題のテーマに関して重要な視点、知見を得て考察を深める機会となった。加えて、それぞれ研究分担者が調査対象とする地域における研究交流を発展させる契機ともなった。 そのほか、プロジェクトの仕上げとしての論集作成に向けてスケジュールを確認し、メンバーそれぞれが執筆内容について準備、検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2年間に中止していたメンバー個々の現地調査の多くを実施することができ、その内容も、当初予定していなかった、Covid-19のパンデミックを経た現地社会の様子を視野に入れた調査となり、進展がみられる。当初計画していた国際シンポジウムについては、Covid-19の影響を考慮し、一堂に会する形ではなく個別にゲストを招いてのオンラインセミナーという形に変更することで、各ゲストの報告を集中的に聞くことができるより充実した形で実施することができている。 また、上記「研究実績の概要」にも記載した通り、本プロジェクトにおいて研究対象となる地域に関係する海外研究者との交流、連携、協力関係の構築も順調に進んでいる。本年度は実施に至らなかったが、オンラインセミナーや講演等の企画は他にもペルー、アルゼンチンなどの研究者との間で模索しており、また今年度実施したハン氏講演会をきっかけにチリ・カトリック大学との連携のきっかけが得られたため、次年度に向けて交流の発展を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後は、本課題の研究機関の最終年度に向けて、中止・延期している海外調査を実施するとともに、プロジェクト全体の総括となる論文集の出版のための作業を進める。研究代表者・分担者のほか、寄稿を予定しているラテンアメリカ各地の研究者とのコミュニケーションを密にとり、各自の論文執筆と相互の検討、翻訳の準備を行なう。
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Research Products
(16 results)