2023 Fiscal Year Annual Research Report
Conservation of farmland ecosystems using marketing theory: Resolving trade-off between conservation and food production
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19H03095
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60399988)
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 環境保全型農業 / 生物多様性経済学 / 環境経済学 / 保全マーケティング / RCT / 選択型実験 / 市場調査 / フィールド実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、農産物市場における生物多様性保全の付加価値を定量的に明らかにするとともに、「環境配慮型」農産物の販売を促進するためにはどのような情報提供が有効であるか、実際の消費者行動から解明することである。 【研究1】市場分析:全国の道の駅等に付随する産地直売所やJA等、日本の小売店で販売されるお米の販売データを分析し、野生生物に配慮して生産されたことを示すラベル(Wildlife-friendly farming label: WFFラベル)がお米の価格に与える影響、つまり価格プレミアムを明らかにした。分析の結果、WFFラベルは、お米の価格を上昇させており、WFFラベル表示のある米は、表示されていないお米と比較して、約20%の価格プレミアムを有していることが示された。 【研究2】環境価値評価:環境評価手法の 1 つである選択型実験を適用し、既存の農産物市場では顕示されていない生物多様性保全の付加価値を評価する。これまでに現地調査およびオンライン調査で収集したデータについて、それぞれ複数の統計モデルを適用した分析を実施した。 前者の分析では、消費者の平均的な支払意思額は鳥類を用いたラベルが両生類や魚類を用いたラベルよりも高かった一方、それらの選好には消費者間で多様であることを示した。 また後者の分析では、認証の内容、つまり、ラベルに表示される種(魚類や鳥類)や認証方法(生物多様性への配慮をどのように認証するか)によって、生物多様性に配慮したお米の付加価値が異なることが示した。例えば、魚類を提示した認証ラベルでは農法を認証する方法が付加価値を高める一方で、鳥類を提示した認証ラベルでは保全成果を認証する方法が付加価値を高めることを示した。 【研究3】経済実験:「環境配慮型」農産物の販売促進に資するフィールド実験の実施に向け、小売店や農家等、お米の販売等に関する人々と意見交換を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市場分析および環境価値評価について、複数の論文を出版するなど、一定の成果を出すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
市場分析や環境価値評価の知見を踏まえ、経済実験(フィールド実験)の準備を進める予定である。一方、新型コロナ感染症の影響により、消費者行動や市場形態には少なからず変化が生じたため、追加的な現地調査も行うことで、より綿密に研究をデザインする。
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Research Products
(8 results)