2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H03157
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古郡 麻子 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (90546293)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DNA修復 / DNA二本鎖切断 / 相同組換え |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトMRE11/RAS50/NBS1(MRN)は放射線や抗がん剤により引き起こされるDNA二本鎖切断の修復に必須の役割を担うヌクレアーゼ複合体である。DNA二本鎖切断が相同組換えにより修復される際、MRNの働きがどのように制御されているか、またMRNと共に働くとされる複数のヌクレアーゼやDNA結合タンパク質がどのように協調的に働いているかは未だ不明な点が多い。本研究ではMRNの働きを起点に相同組換え開始に働くタンパク質群の働きを、主として生化学・生物物理学的手法を用いて明らかにすることを目的とする。本年度は過去の研究計画で実施したMRNの動的構造解析で得られた観察結果を元に、MRNの特異な蛋白質構造の動的変化について調べ、RAD50のフックモチーフにMRN全体の蛋白質構造を保つ中心的な役割があることを明らかにした。またこの結果をさらにサポートするため、フックモチーフを他の蛋白質の二量体形成ドメインと交換したキメラRad50を持つ分裂酵母を用いた遺伝学的解析を行い、Rad50フックモチーフの機能が二量体形成であることを示す結果を得た。また相同組換え開始反応で働く種々のヒト蛋白質群の精製も行った。特に相同組換え反応で重要なRAD51、減数分裂期組換えでRad51と共に働くとされるDMC1、およびこれらのメディエーター蛋白質であるBRCA2についてはDNA結合能などの基礎的な生化学的解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRNの蛋白質構造の役割についての解析は比較的順調に進んだ。こその一方で、同組換え開始に必要な蛋白質群の精製についてはいくつかの蛋白質については精製度が不十分であり、精製が完了しなかったため当初予定していた生化学的解析が十分に進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は相同組換え開始に必要な蛋白質群の精製を完了させ生化学的解析を進める。特にMRNとの協調的な働きを中心に調べることを計画している。またこれらの蛋白質が一本鎖DNA上に形成する高次複合体の構造解析についても進める予定である。
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Research Products
(7 results)