2021 Fiscal Year Annual Research Report
Conflict Analysis and Transformation Program for Divided Communities
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19H04356
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
石原 明子 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (50535739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 博之 明星大学, 人文学部, 教授 (80454007)
林 衛 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (60432118)
奥本 京子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (70321073)
松井 ケティ 清泉女子大学, 文学部, 教授 (80238930)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 福島 / 水俣 / 分断 / 原発事故 / 津波被災地域 / 辺野古 / 紛争変容 / 地域交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
分断された地域コミュニティの「分断」と「(葛藤変容のための)地域資源」に関するフィールド調査、紛争解決学の視点からの分析と検討、葛藤変容のプログラムの一つとしての地域交流の研究を行った。 分断された地域コミュニティの「分断」と「(葛藤変容のための)地域資源」に関するフィールド調査については、原発事故被災地域(福島等)、津波被災地域(石巻)、水俣、辺野古を研究班で分担して実施した。感染症対策として、オンラインなどを駆使して実施した。それらの成果を持ち寄り、3月に水俣で、研究会方式で、分断された地域コミュニティに関する共通構造と相違に関する紛争解決学の視点からの検討、そして葛藤変容戦略に関する検討を行った。 また、本研究班では、葛藤変容のプログラムの一つとしての地域交流実践に取り組むが、今年は、水俣と福島の交流に焦点を当てて実施した。対面による交流では、福島県在住のコミュニティリーダーや原発事故に取り組む専門職を水俣に招聘し、その中でどのような「気づき・響きあい・変容」が起こるかについてアクションリサーチを行った。またこれまでの水俣と福島の交流に関する歴史年表を制作するため調査を行った。 また、新型コロナウィルスに対応して、実際の地域交流に変わるものとして、福島と水俣のコミュニティーリーダーによるメッセージの交換を計画した。これまで福島の人々と交流をしてきた水俣と福島のコミュニティリーダーに震災から10年目の水俣から福島へのメッセージを執筆あるいは聞き取りさせていただいた。これは、水俣市水俣病資料館と協働し「水俣市水俣病資料館企画展示」として2021年度中に展示発表する予定であったが、新型コロナウィルス感染症を理由に水俣市がその企画展示を急遽中止を決定したため、3月26日から、本研究班として特に熊本大学石原明子を中心に、「もやい館」で展示を実施し、示に来た方々の反応を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の育児休業等で中断期間があり、研究計画の進捗の再計画があったのと、新型コロナウィルス感染症の影響もあったが、おおむね順調に進捗した。2021年度は、研究実施にあたり協力関係をもっていた水俣市水俣病資料館では、水俣市内部の事情により計画変更が多く、それに対応することに多くの時間と労力が必要となったが、それがなければ、より順調な進捗が望めたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、分断された地域コミュニティの「分断」と「(葛藤変容のための)地域資源」に関するフィールド調査については、分担研究者が分担して進めるほか、それらの地域に関する紛争解決学の視点からの分析と検討は、オンラインを駆使して研究会で検討を進める。昨年度まで対象としてきた福島・水俣・大川・辺野古以外にも、同様の構造等で分断を抱えるコミュニティの研究者等とも研究交流を深めて、地域分断に関する知見を蓄積していく。 また地域交流プログラムは、水俣と大川(石巻)、水俣と福島を計画している。昨年制作した水俣からのメッセージや福島からのメッセ―ジの展示を用いたメッセージ交換による交流も今年度も計画する(場合によっては、書籍等の形で一般の方が手に取れる形で公表することを検討している。 また、分断する地域の内部での葛藤変容プログラムの検討と、実験的なプログラムの実施も検討している。 研究成果の公表についても積極的に行って行く。
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