2020 Fiscal Year Annual Research Report
地域におけるオペラ上演・劇場運営についての日独英の比較研究
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20H01215
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江藤 光紀 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10348451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城多 努 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (30423966)
石田 麻子 昭和音楽大学, オペラ研究所, 教授 (50367398)
辻 英史 法政大学, 人間環境学部, 教授 (80422369)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オペラ / 歌劇場 / 国際比較 / 市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は開始当初からコロナによる感染拡大防止のため、世界中の劇場で活動が制限される中でのスタートとなった。想定外の事態だったため、まずは現状把握という観点から、およそ一か月の一回のペースでオンラインによる研究会を開き、日本国内、イギリス、ドイツ、さらには世界の他の地域など、それぞれの担当ごとに情報を収集し、持ち寄って、現状分析を行った。 本研究の目的はオペラ上演の形態・制作プロセス・資金調達の方法・地域コミュニティにおけるその効用などを多角度から国際比較することである。コロナ禍によって、当初本研究が想定していた形ではなかったにせよ、舞台芸術を支える体制の国ごとの違いはどのような支援を行うかに始まって、芸術文化をそれぞれの国、それぞれのコミュニティがどうとらえているかを却って浮き彫りにした。流動的な事態に直面しつつも、この点について各研究者がそれぞれの分野における知見に基づき、現状に対して積極的な発信を行った。 オンラインによる研究発表はコロナによって一気に進んだ感があるが、ドイツと日本のオペラの最前線で活躍する識者を招き国際的な見地から石田の司会のもと行われた「我々はいかにして劇場を再開させるのか?―劇場トップが語る日本とドイツの現在―」を始め、学会発表、研究会、シンポジウムなどを各人が様々に主催・参加したものについても、互いに可能な限り視聴し、情報提供を行った。 また近年、音楽マネジメントや文化政策については内外共に数多く出版されるようになってきているが、現地での調査ができなくなった分、そうした文献については手分けをして情報収集し、研究会において報告しあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍にあっても、東京ではある程度公演が行われ、また国内現地調査としては江藤が札幌の劇場のオペラ公演の現地調査を行った。しかし海外渡航はできなくなってしまったし、海外でも上演そのものが激減してしまったため、当初想定していた現地調査を基礎にした研究手法ができなくなってしまった。とはいえ、上述したように、各国のオペラを支える制度や意識の違いはコロナに対する対応によって明らかになった部分も大きく、それが当研究を進める上で新たな気づきや発見をもたらした部分もある。それを詳細に分析し、当初の研究目的の解明につなげていくところにまでは依然として至っていないものの、単に海外渡航の再開、劇場の通常開場、通常公演を待たなければならないという状態でもないため、やや遅れている、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度もおよそ一月に一度のペースで行うオンライン研究会は引き続き開催し、お互いの担当分野についての情報交換を続ける予定である。また各分担についての研究発表や論文執筆なども行っていく。 その上で、2021年度は現状が大きく変わらないだろうという見通しのもと、コロナによって新たに本研究課題にとって研究素材となりそうな部分により積極的に光を当てるような方向転換も柔軟に行っていきたい。例えば、具体的にはコロナ禍によるオペラ上演の持つ問題-舞台上でのソーシャルディスタンスが公演の質にどう影響を与えるか、リモート演出の効用と限界、社会における観劇習慣の変容など―、上演されなかった公演の把握、オペラ制作団体の組織の公的支援の状況の国際比較、あるいは日本においては市民参加型のオペラが全公演数の少なからぬ割合を占めるが、それらがどのように変質しており、今後どうなっていくのかなどである。激変する状況の中から、テーマを新たに見出し、そこから当初の問題意識に切り込んでいく方法を考えている。 そのためには各研究分野における情報の持ち寄りだけではなく、本研究独自のオンラインによる現地インタビューや講演会、シンポジウム、論文の共同執筆なども行っていく必要があろう。これについては今後の月例研究会の中で詰めていく予定である。
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Research Products
(13 results)