2020 Fiscal Year Annual Research Report
Does Freedom of Expression Conflicts with Ethics? Art, Society and Revisionism
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20H01220
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (10231721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 晃平 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 非常勤講師 (50792131)
井出 明 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80341585)
加藤 有子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90583170)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 芸術と社会 / 表現の自由 / ホロコースト / 戦後現代美術 / 観光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、ポーランドの哲学者・美学者のロマン・インガルデン没後50周年にあたり、世界でも様々な記念の催しが準備されていたが、コロナの影響を受けて中止もしくは規模縮小となる。日本でもインガルデン研究会の開催を検討していたが、計画を修正し、ロマン・インガルデンに関する日本語文献一覧、略歴及び諸情報を掲載したウェブサイトを、東京外国語大学名誉教授の関口時正氏、ポーランド広報文化センターと協力しつつ作成。 https://instytutpolski.pl/tokyo/rok-romana-ingardena-jp/ 現代社会におけるインガルデン美学の意義と可能性を探る論文及び、元常磐大学教授の岡部玲子氏によるインガルデンの音楽論に関する論文を掲載した。また京都においては「山怪」展をポーランドと日本の作家たちを招いて開催し、古来畏れと憧れの交錯する異世界への通路としての山について、修験道も参照しつつ考察を深めた。共同研究者の井出は12月以降、ハーバード大学において、近代日本史研究の第一人者であるアンドルー・ゴードン教授とともに歴史修正主義 に関する研究を行い、加藤はアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館で9月まで客員研究員として、ホロコーストや戦争の語りや表現とジェンダー の問題について、欧米と日本を視野に入れながら検討し、10月以降もイェール大 学に研究滞在しながら、ホロコーストの表現を中心に研究を進めた。アメリカのアーカイヴの資料を調査、利用して、戦後日本占領期の原爆や 大戦をめぐる言説構築の過程を考察するための基礎段階となった。山下は日本近現代美術における「表現の自由」に関わる総合的考察を行うため の資料を収集し、更に東アジアの美術制度と地域社会の関係にも視野を広げ、調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度については、コロナ感染状況の広がりによる影響が大きく、研究計画を見直す必要があったが、おおむね予定していた以上の成果に結びつけることができた。今後の計画についても、その都度話し合いながら最適な時期と方法を選びつつ進めることができる体制である。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は対面の調査や講演会等実施が難しいこともあるかもしれないが、オンラインを活用し、また感染対策に留意しつつ進めてゆく方針である。当初の計画に沿って進める。
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Research Products
(7 results)