2022 Fiscal Year Annual Research Report
Does Freedom of Expression Conflicts with Ethics? Art, Society and Revisionism
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20H01220
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (10231721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 晃平 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 非常勤講師 (50792131)
井出 明 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80341585)
加藤 有子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90583170)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 芸術と社会 / 表現の自由 / ホロコースト / 戦後現代美術 / 観光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、前年度より開始している国際ワークショップを5月、7月と2月と3回にわたって実施し、広く問題の共有と深化を進めた。ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ大学やヤギェロン大学教授らと連絡を取りながら、資料収集や整理を継続した。11月には京都の瑞雲庵ならびに兵庫県たつの市の「たつのアートシーン2022」において開催した山展において、ポーランドの作家たちを紹介、また2023年2月にStudy:大阪関西国際芸術祭においては「再・解釈」展を企画してポーランドやウクライナ、ミャンマー、ベトナムの作家たちを紹介しながら、表現の自由と規制の問題について実践的に考察を深め、芸術家たちが厳しい規制を受ける中でどのように困難に立ち向かい、創造活動を継続しているかを示した。 研究分担者の井出はダークツーリズムの立場から、引き続きポーランドのクラクフ、横浜の黄金町、京都の崇仁地区などにおける、アートによる町おこしの事例を研究したほか、情報技術と検閲の関係性に注目しつつ研究を進めた。 加藤はアメリカおよび日本国内で、占領期の連合軍検閲資料、戦中・戦後の写真の調査を行った。現地の研究者と連携しながら動向を探り、知見を深め、ポーランドで戦間期の人種主義言説(黄禍論、反ユダヤ主義)の展開について調査した。 山下は「近代日本における芸術表現と大衆」をテーマとし、日本の近現代美術史における芸術表現と検閲に関する言説資料を調査し、並行して、先行研究を踏まえながら、日本の文化受容の構造に関する理論的研究も行い、「大衆」を要点とすることで、日本の近現代美術史における芸術表現とその受容に関する文化構造を日本文化論の視点から捉え直す試みを継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により様々な変更が必要となったが、オンラインの普及やデータの公開促進によって可能になる部分もあり、また広く国際的な繋がりも継続でき、それぞれの分野での研究の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2020年度から2021年度にかけて実施した国際ワークショップを振り返りつつ、その成果に基づいて国際会議を開催し、多角的な視点より芸術と社会の複雑な関わりや直面する問題点について討議し、意見交換のプラットフォームを形成する。ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ大学、マグダレナ・アバカノヴィチ芸術大学やヤギェロン大学教授らと連絡を取りながら、資料収集や整理を継続する。夏にクラクフ(ポーランド)の日本美術技術博物館マンガにて日本とポーランドの作家を交えた企画展を行い、秋には兵庫県たつの市で「たつのアート2023」においてポーランドやウクライナの作家たちを紹介しながら、表現の自由と規制の問題について実践的に考察を深め、芸術家たちが厳しい規制を受ける中でどのように困難に立ち向かい、創造活動を継続しているかを示す。 研究分担者の井出明は、国際会議およびまとめを目指して、美術作品や文献資料等の調査活動に勤しむとともに、ダークツーリズムに関する芸術界の動向について引き続き考察を進める。加藤有子はアメリカおよび日本国内で、引き続き占領期の連合軍検閲資料、戦中・戦後の写真の調査を行う。現地の研究者と連携しながら動向を探り、知見を深め、反ユダヤ主義の展開についても調査する。山下晃平は「日本の芸術表現と文化の基層構造」(1980年代以降のアートワールドと隣接領域を横断する)をテーマに、日本の芸術表現とその環境を、根幹にある日本文化の構造を手がかりとして考察する。継続的に日本文化論に関する研究を精査しながら、2023年度は主として1980年代以降の表現の自由に対する規制の事例を調査し、比較情報として、映画、小説、写真等の美術の隣接領域に関する情報を整理し、その際、関連する作品や記録資料を確認する。また国立国会図書館及び美術館や大学図書館にて資料収集を行う。
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Research Products
(17 results)